筆者は人生の大半を埼玉県のとある街で過ごしてきたのですが、中学生になる時、街に大きな古本屋さんができました。当時では珍しい「ブックオフ」というチェーン店の古本屋さんだったのです。割と本好きだった当時の筆者は、お小遣いを握りしめてそこに行き、本を買ったり立ち読みしたりするのが楽しみの1つでした。
それからだいぶ時は流れ、今住んでいる街(やっぱり埼玉県)にもブックオフがあるので時々立ち寄ります。特に、昨今は新型コロナウイルス感染症の影響で、不要不急の外出を控えるよう、盛んに呼びかけられていたためか、自宅で読む本を買おうとするお客さんもちらほらいました。
本を全部新品で買おうとすると結構な値段になってしまうので、ブックオフをはじめとした古本屋さん=リユースチェーンの存在はやはりありがたいです。そこで今回は、ブックオフをよく使う人ならチェックして欲しい、本の買取・購入がオトクになる「ブックチケット」について解説しましょう。
目次
おうち時間と読書の関係
本題に入る前に、新型コロナウイルス感染症の影響で、読書をする人はどれだけ増えたのか、調べてみることにしました。
2割の人が「読書をする時間が増えた」と回答
民間調査会社のクロス・マーケティングが行った「読書に関する調査(2020年)」の結果を紹介しましょう。まず「読書をする時間の変化」については、以下のような結果が得られました。
出典:クロス・マーケティング「読書に関する調査(2020年)」より筆者作成
紙媒体と電子書籍で細かい部分に差はありますが、おおむね2割程度増えていると言って良いでしょう。
紙媒体は根強い人気
また、紙媒体と電子書籍のどちらで読書をするかについても、調査が行われました。全体としての結果は、以下の通りです。
出典:クロス・マーケティング「読書に関する調査(2020年)」より筆者作成
電子書籍も徐々に普及してきているとは言え、やはり紙媒体は根強い人気の様子です。
紙媒体の本で読書をするメリットは?
ここで、紙媒体の本で読書をするメリットについて考えてみましょう。
目に優しい
この記事を書くにあたって、筆者は周囲の友人・知人数名に「本を読むなら紙媒体と電子書籍のどっちが良いか」を聞いてみました。先ほど紹介したアンケートと同じく、やはり「紙媒体の方が良い」という意見が多かったです。
理由の1つに挙げられたのが「目に優しい」ことでした。
一般的に、電子書籍を読む場合
- 専用の端末(Amazonの「Kindle」など)
- スマートフォン
- パソコン
などで読むことになります。文字を拡大する機能を使えばやはり読みやすくなりますが、眼精疲労の原因になることは否めません。
繰り返し読みやすい
紙媒体の書籍であれば、自分の手元に本がある限りは、繰り返し読み返すことができます。
印刷技術が発展していない時代に出版された本だと、フォントが工夫されていなかったり、紙自体が焼けてしまったりと色々と難はありますが、それでも「文字が消えてしまって全く読めない」というのはかなりのレアケースです。
「ずっと読みたい本」を電子書籍で買うのはおすすめしない
一方、電子書籍はそうとは限らない点に注意しましょう。電子書籍の致命的なデメリットとして「運営会社がサービスを終了する可能性が多分にあること」が挙げられます。
日本国内でもこれまでに様々な企業が電子書籍事業に参入しましたが、2021年10月現在でも事業を継続している企業はごく一部です。
そして、電子書籍事業を営んでいた企業が撤退する際は、利用者に対して何らかの対欧を行う必要があります。しかし、その対応も
- 提携先・事業承継先となるサイトへデータを引き継ぎ、引き続き閲覧できるようにする
- 終了までに購入した電子書籍は、ダウンロードした上で専用アプリを通じて閲覧できるようにする
- 終了までの電子書籍の購入額を共通ポイント(Tポイント、Pontaポイント等)で返金する
など、企業によってまちまちなので注意しなくてはいけません。
昔の本でも入手できる
最近は、紙媒体の本の出版日と同じ日もしくはほぼ同時期に電子書籍が出版されることも珍しくありません。
しかし、ちょっと前の本の場合、新品もしくは中古の紙媒体のものを入手することはできても、よほど人気があるタイトルでないかぎり、電子書籍化が行われないことも十分にあり得ます。
「昔読んだあの本をもう一度読んでみたいな」と思った場合は、紙媒体の本を前提に探した方が良い結果が得られるでしょう。
紙媒体の本で読書をするデメリットは?
一見、良いことづくめの紙媒体の本ですが、デメリットもやはりあります。
すべてを新品で揃えようとすると高くつく
一般的に、同じタイトルの本であっても、電子書籍の方が紙媒体の本に比べて安いです。
- 書籍本体に使う紙・インクがいらない
- 取次店に卸すための輸送費(ドライバーの人件費など)がいらない
以上、全体としてかかるコストが低く抑えられるため、当然と言えば当然でしょう。
そのため、欲しい本を全部新品で揃えようとすると、かなりの出費になってしまいます。
必要に応じて
- ブックオフなどのリユースチェーンを使う
- 図書館で借りる
など、出費を抑える工夫をしましょう。
読み終わった本をどうするかが問題になる
そして、紙媒体の本はやはりかさばります。大きな本棚が置けるほど広い家であるならともかく、そうでもない家であれば「もう読まないであろう本」をどうやって扱うかが問題になるでしょう。
- 思い切って処分する
- 家族、友人・知人にあげる
- フリーマーケットやネットオークションに出す
- リユースチェーンに売る
など「自分なりに納得がいく方法」で片づけていかないと、いずれは収拾がつかなくなりそうです。
本の買取・購入がオトクになる「ブックチケット」って何だ?
結局のところ、読書好きにとっては
- どうやって読みたい本をお得に手に入れるか
- もう読まないであろう本をどうやって手放すか
が2大懸念事項なのでしょう。そこで、今回は解決案の1つとして、日本最大級のリユースチェーン「ブックオフ」が一部の店舗で始めたサービス「ブックチケット」を紹介しましょう。
ブックオフの一部店舗で使える割引チケット
出典:ブックオフの対象店舗で使えるお得なブックチケット販売中|Sub.
「ブックチケット」とは
です。これを購入すると
- 220円(税込)以下の好きな本と交換できる
- 220円(税込)超の本も含め、販売価格がいつでも最大10%オフになる
- 本の買取価格がいつでも20%アップする
などの特典が受けられます。ただし、特典が受けられる期間(有効期間)は購入日より90日となっているため、プランを選ぶ際は「有効期間が終わるまでにどれぐらい本を買うか」も1つの基準にするとよいでしょう。
購入方法は?
なお、ブックチケットの購入は、専用Webサイトから行います。手順は以下の通りです。
- 使いたい地域、プランを基準にチケットを選ぶ
- 専用Webサイトでメールアドレス、ユーザー情報を登録する
- クレジットカード情報を入力し、購入手続きを行う
以下の画像も参考にしてください。
出典:ブックオフの対象店舗で使えるお得なブックチケット販売中|Sub.
利用方法は?
購入したチケットを利用する際の手順は、以下の通りです。
- チケットを表示させ、店舗と利用枚数を選択する
- チケットの利用を確定させる
- 注文画面をレジで提示する
以下の画像も参考にしてください。
出典:ブックオフの対象店舗で使えるお得なブックチケット販売中|Sub.
料金プランは4種類
なお、2021年10月現在、以下の4種類の料金プランが設けられています。
プラン(税込) | 購入可能数 | プレミアム特典 |
---|---|---|
350円 | 5冊 |
|
980円 | 15冊 |
|
1,280円 | 15冊 |
|
1,980円 | 30冊 |
|
※本以外は税込1,980円以下の商品が対象
CD・DVD・ブルーレイ・ゲームソフトがオトクになるプランもあり
なお、上記の表からもわかる通り、ブックオフで扱っているCD、DVD、ブルーレイ、ゲームソフトが10%オフになるプランもあります。ただし、適用となる商品は1,980円(税込)以下のものであることに注意が必要です。
対象店舗は今後100店まで拡大予定
また、2021年10月現在、ブックチケットが使える店舗を都道府県ごとに表にまとめました。
都道府県 | 使える店舗名 |
---|---|
北海道 |
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青森県 |
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茨城県 |
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東京都 |
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神奈川県 |
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愛知県 |
|
岐阜県 |
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三重県 |
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岡山県 |
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香川県 |
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沖縄県 |
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なお、本記事を書くにあたって運営会社であるブックオフコーポレーションの担当者様にお話を伺ったところ「今後も取り扱い店舗を増やす予定」とのことでした。
まだ取り扱い店舗が近くにない状態でも、今後は出てくるかもしれないので、楽しみに待ちましょう。
読書好きの人に「ブックチケット」を使ってもらいたい理由
そして、現状、自宅や会社の近所にブックチケットが使えるブックオフがあるなら、ぜひ使って欲しいと筆者は思います。その理由として次の3つを挙げましょう。
税込220円以下の本と最大30冊まで交換可能
プランによって上限数に差はありますが、税込220円以下の本なら追加料金なしで交換できるのは大きなメリットでしょう。仮に、最も安い「350円プラン」であったとしても、5冊まで交換できるため
得することになります。また、最も高い「1,980円プラン」であれば
得することになります。「さすがに、90日間で30冊はハードルが高い」と思う人は、「350円プラン」であってもかなりお得なので、上手に活用しましょう。
税込220円超の本でもオトクに買える
また、自分が欲しい本の値段が税込220円を超えていたとしても、最大10%オフで購入できます。「前から気になっていた漫画を全巻買う」など、ある程度の冊数をまとまって購入したい場合に活用したいところです。
自宅の本の買取金額が20%アップする
逆に、もう読まなくなった本を手放す際にも、ブックチケットは活用できます。ブックチケットの対象店舗に売りたい本を持ち込むと、買取金額を20%アップしてもらえるためです。
例えば、本来の買取金額が100円の本だった場合は、ブックチケットを提示することで120円で買い取ってもらえるようになります。
サービスの運営会社の方にもお話を伺いました!
実は、今回この記事を書くにあたり「ブックチケット」の運営元であるブックオフコーポレーションのご担当者様にお話を伺うことができました。
主に
- サービスを立ち上げたきっかけ
- どんな人に使って欲しいのか
- 今後の展望
の3点について話を伺っています、
年間3億点弱の書籍が入ってくるものの…
最初に、サービスを立ち上げたきっかけについて伺いました。
しかし、中には販売することができず、古紙回収に回さざるを得ない書籍もやはりありました。
その中には、人気があったり、長く親しまれていたりする本も含まれていました。本来であれば、このような本もお客様に手にとっていただけるのが最も望ましいと考えております。
また、「本は、やはり中身を見て購入したい」というお客様のニーズも高かったのも確かです。現在、ブックオフはチェーン店舗を800店舗擁しており、豊富な在庫がございます。
ご自宅などの近所にある店舗に在庫がなかったとしても、2~3軒の店舗を「はしご」していただければ、お求めになりたい本を入手していただける状態です。
そこで
- お客様の手に届きづらい本をお安く提供することで、新しい作品との出会いのきっかけを作りたい
- お客様に実際に店舗に足を運んでいただき、ご希望の本をお求めいただきたい
という考えのもと、購入していただける機会を増やす1つの手段として「ブックチケット」というサービスを立ち上げました。
アンケートでは約8割の人が「人にすすめたい」と回答
次に
- どんな人に使って欲しいのか
- 今後の展望
についてお話を伺いました。
「ブックチケット」のサービスを開始して以来、主に30代~40代の方を中心に、たくさんの方にご利用いただいております。そして、年齢を問わずやはり「本をいっぱい読みたい」という方からの関心は高いようです。
今後の展望といたしましては、これまでサービス対応店舗が存在しなかったエリアでも「ブックチケット」がご利用いただける店舗を増やしていくことを考えております。
なお、「ブックチケット」は現状、主に本をいっぱい読みたいという方にご愛用いただいておりますが「しばらく読書から離れていた」という方にもぜひ使っていただきたいです。「350円プラン」でしたら、金銭的にもお気軽にお使いいただけるかと思います。
もちろん、ご家族でシェアしてお使いいただくことも可能ですので、最も冊数の多い「1,980円プラン」をご検討いただくのも一案です。お子様には漫画や児童書を、大人の方には活字の本をお買い上げいただくという使い方もできます。
なお、既に「ブックチケット」をお使いいただいたお客様に対し、アンケートを行ったところ約8割が「家族や友人・知人にすすめたい」とおっしゃってくださいました。「いかにして、たくさんの本をお手頃に入手して読むか」ということに関心があるお客様でしたら、きっとご満足いただけるはずです!
ご多忙のところ、丁寧にお答えいただき、ありがとうございました!
「ブックチケット」は専用ページから購入が可能です。2021年10月現在、一部の都道府県のみでの展開ですが「あっ、家の近くのブックオフで使えそう!」という人は、一度使ってみる価値があるはずですよ。
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