初めて車を買う場合、基本的な流れは事前に知っておきましょう。物がものだけに、多額の金額が動く上に、法律上の手続きも必要だからです。
どんな書類が必要になるのか、実際に買いに行く前に何をしておけばいいのかも知っておくとなお良いでしょう。
目次
車購入の基本的な流れ
車を買う場合、通常の買い物とは違って、かなり時間がかかります。いつ、どこで何があるかを覚えておきましょう。
1.予算を決める
最初に、車を買うのに必要な予算を決めなくてはいけません。「いくらまでなら無理なく出せるか」をまずは考えましょう。なお、車を買う際は、車両本体価格だけでなく
- 手続にかかる費用(税金など)
- ETC、カーナビなどのオプションにかかる料金
も加味して考えなくてはいけません。
2.車を選ぶ
おおよその予算が決まったら、候補になる車を選びましょう。「昔からこの車に乗ってみたかった」など、ほとんど車種が決まっているなら、このプロセスは省いても構いません。
また、まったくわからないなら、直接ディーラーや中古車販売店に出向き、相談してみるのをおすすめします。
3.試乗する
直接ディーラーや中古車販売店に出向き、「試乗させてください」と一言伝えれば大丈夫です。
4.見積もりをしてもらう
どの車にするか、ある程度の候補が固まってきたら、見積もりをしてもらいましょう。その際
- オプションはどの程度までつけるか
- いつ頃までに車があればいいか
など、自分の希望は細かく伝えるようにしてください。
5.必要書類の準備をする
見積もりを見て、合意できそうなら契約に進みます。必要な書類について案内があるはずなので、期限までに漏れなくそろえるようにしてください。
6.契約をする
必要書類が全部揃ったら、契約に進みましょう。契約書には普段使わない言葉も多く用いられています。
7.支払いを済ます
契約時に決めた方法で支払いを行います。自動車ローンを利用する場合には、契約までに申し込みや本審査を済ませておくことが必要です。あらかじめ、担当者に「いつまでに本審査を済ませれば間に合うか」を聞いておくといいでしょう。
8.納車してもらう
整備などの準備が終わり、登録が完了したら、引き渡しに移ります。ディーラーや中古車販売店での店頭での受け渡しを行うのが通例です。ただし、取りに行くのが難しい場合は、有料ではあるものの家まで届けてくれるので、相談してみましょう。
どんな車種を選ぶかにもよりますが、納車されるまでは1 ~ 2カ月ほどかかることがほとんどです。その間、車が必要なら代車を手配してくれるので、事前に相談しておきましょう。
車購入時の必要書類
車を購入するときは、少なくとも以下の書類が必要です。
印鑑証明書、住民票
つまり「これは自分の印鑑です」という証明ができるようになるので、法律上の重要な契約の場面で広く用いられています。
自動車の購入も、法律上の重要な契約の1つであるので、印鑑登録を行わないといけません。
「その市区町村に住民として登録されている」という証明書である住民票と併せて、期限までに用意しましょう。従来は市区町村役場で交付してもらうのが通常の流れでしたが、近年ではマイナンバーカードを利用して、コンビニで受け取れるようになりました。
車庫証明書
一部の例外を除き、新車・中古車を購入した際は、車庫証明書を取らないと、自分の車として登録することができません。つまり、ナンバープレートがもらえないので、運転もできません。ディーラーや中古車販売店に依頼すれば、手続きをしてもらえます。
書類 | 車庫を自己所有している(例:自宅のガレージなど) | 月極駐車場や親・親族の土地を借りている(例:賃貸マンションの駐車場など) |
---|---|---|
自動車保管場所証明申請書(保管場所標章交付申請書) | 〇 | 〇 |
保管場所の所在地・配置図 | 〇 | 〇 |
保管場所使用権原証明書面(自認書) | 〇 | × |
保管場所使用承諾証明書 | × | 〇 |
自動車の使用者の住所を確認できるもの(運転免許証など) | 〇 | 〇 |
必須でないケースもある
軽自動車を購入する場合、以下の3つを満たす地域でなければ、車庫証明は必要ありません。
- 各都道府県の県庁所在地
- 人口10万人以上の市町村
- 都心部(東京や大阪など)から30km圏内の市町村
ただし、車庫証明が不要な場合であっても、地域によっては警察署への届出が必要になるケースがあります。
自動車検査証
いわゆる「車検証」のことです。以下の項目が記載されています。
記入項目 | 記載内容 |
---|---|
車両番号 | ナンバープレートの番号 |
初度登録年月 | 初めて登録された年月 |
自動車の種別 | 道路運送車両法上の車の種別 普通自動車・軽自動車など |
用途 | 車の用途 乗用・貨物など |
自家用・事業用の別 | 家庭用自動車か営業用車かが記載される |
乗車定員 | 車に乗車できる最大乗車人数 |
車両重量 | 車体本体の重量 すぐに使用できる状態の車の重量 |
車両総重量 | 車両総重量に加え、最大乗車定員が乗った状態の総重量 |
車名 | メーカー名 (トヨタ・日産など) |
所有者・使用者 | 車の所有者と使用者の名義が記載される ※自動車ローンの返済中など使用者と所有者が違う場合がある |
有効期間の満了する日 | 自動車検査証の有効期間 ※ 期日までに車検の継続検査が必要 |
車を購入するときは、販売店の担当者が手配してくれます。
自賠責保険証
日本の法律では、自動車を運転する際は強制保険である自賠責保険に加入しなくてはいけません。
出典:自賠責保険(共済)とは?
加入手続きはディーラーや中古車販売店で進めてくれるので、やり取りを進めましょう。なお、自賠責保険の保険料は以下の通りです。
車種 | 36カ月 | 24カ月 |
---|---|---|
自家用自動車(軽自動車以外のもの) | 29,520円 | 21,550円 |
軽自動車 | 28,910円 | 21,140円 |
委任状
ディーラーや中古車販売店などの自動車販売店は、車の名義や情報の登録など車の購入時に必要なさまざまな手続きを、購入者に代わって行います。
そのため、手続きを開始する際に委任状の取り交わしをするのが通例です。担当者から説明があるはずですので、期限通りに用意しましょう。
車購入時の前にやるべきこと
最後に、車を購入する前に自分で済ませておくべきことについても解説しましょう。
駐車場を確保する
普通自動車であっても、軽自動車であっても、車を置くための駐車場はかならず必要です。
分譲マンションに住んでいる場合は、敷地内の駐車場に空きがないかまずは確認してください。難しい場合は、近隣の不動産会社に行き、募集中の駐車場をいくつかピックアップしてもらいましょう。
賃貸マンション・アパートに住んでいる場合も同様です。大家や管理会社が駐車場の募集をしていることもあるので、一度確認してみましょう。
自動車ローンの審査を受ける
車を一括払いではなく、自動車ローンを組んで買うつもりなら、事前に審査を受けておきましょう。一口に自動車ローンの審査といっても、実際は次の2つに分かれます。
- 仮審査:いくらまでなら借りられるかを簡易的に調べる
- 本審査:提出された書類に基づき、融資自体の可否や実際の融資額・適用金利を決める
なお、仮審査はその日のうちに結果が出ることがほとんどですが、本審査の場合は1 ~ 2週間かかります。
任意保険の手続き、契約を済ます
日本の場合、車を運転するときは必ず自賠責保険に入らなくてはいけません。しかし、これはあくまで対人補償(人がケガしたり、万が一のことになったりした場合にのみ保険金が支払われる)のみの保険である上に、最高補償額も3,000万円までとごく限られています。
交通事故の賠償金額は1億円を超えることも珍しくないうえに、対物事故(自動車など、他人の物を壊す事故)への補償もありません。
従来は、代理店を通じて加入するのが一般的でしたが、近年では「ダイレクト型」といって、Web経由で加入するものが一般的になっています。
車の売却、下取りを依頼する
これまでに運転してきた車があるなら、売却もしくは下取りをしてもらいましょう。ディーラーや中古車販売店の担当者に一度話をしておき、手続きを進めてもらうとスムーズです。
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