筆者が子どものころはもちろん、大学生や社会人になって間もなくのころは「クレジットカードを使う際はサインをする(クレジットカード本体の裏面に設けられている署名欄に記入されているものと同じ署名を所定の用紙・タブレットに行う)」のが当たり前でした。
しかし、最近は「暗証番号の入力をお願いします」と言われることがほとんどです。つまり、暗証番号を忘れると何かと厄介ですが、万が一忘れてしまったときは落ち着いて冷静に対応しましょう。そこで今回は
- クレジットカードの暗証番号を忘れるとヤバイ理由
- おすすめの決め方
の2点について解説します。
目次
クレジットカードの暗証番号を忘れるとヤバイ理由
支払いそのものができなくなる
クレジットカードの暗証番号を忘れるとヤバイ理由は
からです。これを理解するためには「なぜ、暗証番号入力による決済が主流になったのか」という理由についても知っておいた方が良いでしょう。
情報流出リスクを避けるため
筆者も冒頭で触れましたが、従来、クレジットカードは
- 店員が客からクレジットカードを預かり、専用の端末に通して情報を読み取り、決済の準備をする
- 客は店員からこれから実行する決済処理の内容について説明を受け、問題がないようであればサインをする
- 店員が決済処理を実行し、客は「利用者控え」を受け取る
というように「サインする」のが前提で処理が行われていました。この方法を「署名決済」「サイン決済」と呼ぶ場合もあります。
この方法は手軽で便利ではあるものの
- 端末に簡単な加工を施すことで磁気ストライプに記憶された情報が抜き取れるため、その情報を用いた偽造クレジットカード作りが横行した
- 本人でなくてもサインを真似ることで決済ができてしまうため、いわゆる「なりすまし」もあった
など、何かと問題があったのも実情です。
従来の「磁気ストライプに記憶された情報を読み込み、顧客のサインをもって決済処理を行う」方法に比べると
- クレジットカード自体の偽装
- いわゆる「なりすまし」
が極めて難しいため、不正利用にもつながりにくいためです。
サイン決済させてくれない加盟店も増えている
それでも、従来はサインによる決済が主流であったことを踏まえ、現在でも顧客が希望する場合は暗証番号入力ではなく、サインによる支払いを認めてくれる加盟店も存在します。
また、加盟店によっては「暗証番号とサイン、どちらでお支払いしますか?」などと提案があるケースもあるので、一概に「暗証番号を忘れたら100%決済できない」とは断言できません。
このような加盟店の場合、無理に「暗証番号を忘れたのでサインで決済させてください」と主張しても、その主張が通る可能性は極めて低いです。店員と口論になった場合、展開次第では自分が警察から事情聴取を受ける可能性すらあるので、気を付けてください。
クレジットカードの暗証番号を忘れた場合の対処法
結局のところ、クレジットカードの暗証番号を忘れた場合は、落ち着いて対処するしかありません。少なくとも、次の2つは済ませましょう。
まずはクレジットカード会社に連絡する
なお、暗証番号は決済に関わる重要な情報であるため、その場では教えてもらうことができず、後日、郵送(はがき)で情報が届くのが一般的です。具体的な期間はクレジットカード会社によっても異なるので一概には言えませんが、1 ~ 2週間は見ておいた方が良いでしょう。
サブのクレジットカードをつなぎで使う
暗証番号をその場ですぐに知ることはできません。そのため、しばらくは暗証番号がわからなくなったクレジットカードは使えなくなります。サブのクレジットカードをつなぎで使うか、現金払いをするかでしのぎましょう。
海外に行く場合は要注意
また、時節柄難しい部分もありますが、一応触れておきます。
部分的にはサインによる決済が認められている日本とは違い、海外のほとんどの国が、深刻なクレジットカードの不正利用の被害への対策として、早くから
クレジットカード本体へのICチップの実装
ICチップによる決済を前提とした端末の導入
を行ってきました。
そのため、サインによる決済は、高級ホテル・レストランなど一部の店舗を除き、まずできないと思っていた方がよさそうです。暗証番号を忘れてしまうとほぼ何もできなくなるので
- クレジットカードは複数枚持っていく
- 緊急連絡先リストを作り、その中に「自分が持っていくクレジットカード会社の連絡先、クレジットカード番号、暗証番号」も項目として盛り込む
- 緊急連絡先リストは紙ベースで作り、クレジットカードやパスポートなとどは分けて保管する
などの対応を行いましょう。
忘れにくい、が一番!おすすめの暗証番号の決め方
「自分にまつわる数字」は基本NG
結局のところ、暗証番号を忘れると何かと大変です。万が一忘れてしまったとしても、適切な対応をすれば問題なく使えるようになりますが、まずは「暗証番号を忘れないこと」を先に考えた方がよいでしょう。そうなると「どんな番号を暗証番号にするべきか」が問題になります。
具体的には、以下のようなものが当てはまります。
- 単純な数字の羅列(1234、9876、5555、0000、9999など)
- 電話番号、誕生日、住所番地など
- 所有している自動車のナンバー
- 名字や名前からのもじりの数字(例:さとし=3104)
- そのほか、個人情報から特定されやすい暗証番号
この条件を満たさない数字で、しかも忘れにくいものであれば、暗証番号の候補にしてもよさそうです。具体例を4つ考えてみました。
おすすめ1.結婚記念日、交際記念日
1つ目は「結婚記念日、交際記念日」です。すでに結婚している人なら、入籍した日か、結婚式を挙げた日かのいずれかを暗証番号にすれば良いでしょう。例えば「4月24日」に結婚式を挙げた人の場合は「0424」ということになります。
もちろん、現在進行形で付き合っている人がいる場合は、交際を開始した記念日でも構いません。
おすすめ2.家族、恋人の誕生日
自分の誕生日は、個人情報の一部でもあるので暗証番号にするのはおすすめできません。クレジットカード会社によっては「ご自身の生年月日を暗証番号として設定するのはお控えください」など、使わないよう明確に指示をしていることすらあるくらいです。
おすすめ3.生まれた時の体重、時間
自分もしくは家族が生まれた時の体重や時間はそもそも運転免許証や保険証など、身分証明書に記載することはまずない情報です。
例えば
- 朝の4時50分に生まれた場合 → 「0450」
- 出生時の体重が3,240グラムだった場合 → 「3240」
となる、と考えましょう。
おすすめ4.好きな会社の証券コード
なお、自分が勤務している会社の証券コードは、社員証などが一緒に入っていた場合、推測されてしまう可能性があるのであまりおすすめできません。ちなみに、証券コードは「(会社名) 証券コード」で調べられます。
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