老後に必要なお金はいくらぐらいか

女性60代 orangekikukoさん 60代/女性 解決済み

政府の発表によると老後は2000万円ぐらいが必要としていますが、本当にこの金額で大丈夫なのでしょうか。確かにどのように老後を送るかで必要とする金額が違ってくることはもちろんですが。人生100年と言われて長生きしている高齢者が益々増えています。2000万円というのは寿命が何歳ぐらいまで生きた場合のことを言うのでしょうか。また財産相続などのことについても無知なので、お聞きしたい質問はたくさんあります。自分なりに財産相続に関して調べていますが、今一つピンときません。財産相続について税理士に聞く前にどんなことを前もってしておいたらいいでしょうか。年金についても知識がないのでお教え願いたいと存じます。宜しくお願いします。

1 名の専門家が回答しています

福嶋 淳裕 フクシマ アツヒロ
分野 老後のお金全般
60代前半    男性

千葉県 東京都

2021/03/09

Q. 政府の発表によると老後は2000万円ぐらいが必要としていますが、本当にこの金額で大丈夫なのでしょうか。

A. 2019年6月、金融審議会の市場ワーキング・グループが金融庁のサイトに「報告書」を掲載しました(政府の発表ではありません)。
ごく当たり前の良識的な内容が書かれている報告書でしたが、主旨ではない「現状整理(第1章)」の1カ所を野党が取り上げて国会で騒き、「老後資金2000万円問題」の発端となりました。

この報告書に、「老後資金として2000万円必要である」旨の記載はありません。
「金融資産の保有状況は各人により様々であることから、平均的な姿をもって一概に述べることは難しい面がある。 ... (夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦無職世帯の)収入と支出の差である不足額 約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取り崩しが必要になる」と記載されています。

この部分の記述の根拠は、総務省が毎年公表している「家計調査」です。
報告書作成時点で最新版だった家計調査(年報)によれば、「世帯主が65~69歳の二人以上世帯は、金融資産(貯蓄・投資の残高)を2,252万円保有」しています。
2000万円持っているので、「余命を30年と考えるならば、毎月5万円程度取り崩すことができる」わけです(「2000万円必要」なのではなく、「2000万円あるから、取り崩して使っている」というのが「平均的な姿」です)。

「本当にこの金額で大丈夫なのか?」については、相談者様もおっしゃるとおり、ご事情が人それぞれ異なりますので、現在の「収入・支出、資産・負債」を把握したうえで、想定寿命までのそれらの変化を予想することにより概算するしかありません。
ご自身で試算するか、あるいはリタイアメントプランニングの専門家に試算を委託する必要があります。

(なお、その他のご質問につきましては、あらためてご質問いただければ幸いです)

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