「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざがあります。簡単に言うと「金銭トラブルが原因で、人間関係も崩壊するおそれがあるので要注意」ということです。それくらい、お金のことに対しては慎重に対処した方が良いでしょう。
特に、友だちだと思って付き合っていた人から金の無心をされた場合は注意してください。もちろん、その後の付き合いがどうなっても良い相手なら、SNSをブロックするという手段も取れます。しかし、その後の付き合いのことを考えなくてはいけない相手なら、乱暴な対応をするのはおすすめできません。
そこで今回は、今すぐ使える「友だちから金の無心をされた時の断り文句」を7つ紹介します。
目次
友だちから金の無心をされた時の断り文句7選
「俺(私)、金は貸さない主義だから」
1つ目は「俺(私)、金は貸さない主義だから」など「自分は友だちから金の無心をされても貸さない、という信条を持っている」とはっきり伝えることです。
「家のローンが大変で」
2つ目は「家のローンが大変で」など「自分も住宅ローンの支払いなど、定期的な支払いをしていかなくてはいけない立場である以上(たとえ相手が誰であっても)、人にお金を貸す余裕がない」と伝えることです。
ちなみに、住宅ローンを滞納すると
- 本来の返済日から実際の返済日までの日数に応じた遅延損害金がかかる
- 銀行などの金融機関から支払い請求・催告書が届く
- 延滞・滞納してから3カ月 ~ 6カ月で「期限の利益喪失通知」が届き、住宅ローンの一括返済を求められる
など、大変なことになるので気を付けてください。
「給料が少ないから無理」
「給料が少ないから無理」など「自分は、人にお金を貸せるほどの経済的余裕がない」という旨を伝えるのも1つの手段です。ただし、この手段を使う時には、1つ注意すべき点があります。
- 大きな、有名な会社(一部上場企業もしくはそれに準ずる規模の企業)に勤めているため、それなりに給料をもらっている
- 事業を営んでいて、コンスタントに良い業績を挙げている
など「明らかに、経済的に余裕がありそうなこと」を相手が知っていた場合、この言い訳が通用しないこともあるので、注意しましょう。
「奥さん(旦那)に怒られる」
例えば「友だちに金貸したなんて奥さんにばれたら、俺ぶっ飛ばされるわ」「旦那にばれたらかなりヤバイ」など、たとえ自分の友だちであったとしても、お金を貸したという事実に対し、家族(特に配偶者・パートナー)が激高しそうなことを伝えれば、無理に話を進めようとはしないでしょう。
「実は自分も借金持ちで」
配偶者・パートナーなど家族からの反対を理由にできそうにない場合は、いっそ「嘘も方便」で進めるのも1つの手段です。例えば「実は自分にも借金があって、逆に借りたいくらいなんだよね」と言ってみるのも良いでしょう。
ただし、この場合
- どういう理由で借金をしたのか
- 借金の残高はいくらくらいあるのか
など、詳細について問い詰められる可能性もあるので、矛盾しない答えを自分の中で用意しておくようにしてください。
「踏み倒されたことがあるんだよね」
「矛盾しない答えなんて用意するの無理」という人におすすめなのが、過去にお金の貸し借りで嫌な経験をしたことがある、という旨を伝えることです。
「いやー、昔、別の友だちに金貸したことあるんだけどさ、結局持ち逃げされたからもう嫌なんだわ」と伝えれば、相手にも「これ以上の交渉は難しい」と認識させられるでしょう。
「おまえ(あなた)が大事だから逆に貸せない」
お金の無心をされる理由にはいろいろありますが、ギャンブルや浪費でこしらえた借金が原因だった場合、相手にお金を貸してしまうことで逆に事態がさらに悪い方向に進む恐れもあります。
世話を焼いたことが裏目に出る
ギャンブルや浪費をしている人の中には、精神医学上も依存症として扱うべきほどの状況に陥っている人もいます。そのような人に対して、安易にお金を貸してしまうと、またギャンブルや浪費に使ってしまい、根本的な解決にはなりません。
なお、精神医学上、ギャンブルや浪費などの問題行動を助長する行為のことを「イネイブリング」、助長する行為をする人のことを「イネイブラー」と言います。
参照:イネイブラー | JUST | NPO法人 日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン
断るときに注意すべきことは?
そもそもなぜ断るべきかを考えよう
結局のところ、友だちからお金を無心されたとしても、きっぱり断る方が、自分と相手のためです。なぜ、断るべきなのか、さらに細かく理由を細分化してみましょう。
友だちに借りるような状態では返してもらえそうにないから
そもそも、世の中には消費者金融や銀行のカードローン、クレジットカードでのキャッシングなど「お金を借りる手段」はたくさんあります。
しかし、これらはあくまで「安定継続して返済ができる」と見込まれる人だけが使えるものです。
一度貸すと他の人からもせびられるようになるから
例えば、あなたがだれかにお金を貸したとしましょう。その噂を聞きつけた他の人が「〇〇にお金を貸したらしいけど、俺も困っているから貸してくれない?」と言い出しかねません。
結果として縁が切れてしまうから
自分から「いつになったら返してくれるの?」と督促をしようとしても、SNSをブロックされたりした場合、連絡を取るのはなかなか難しくなるかもしれません。
なお「何としてでも取り返したい」と思うなら
- 貸した金額が60万円以下の場合:少額短期訴訟
- 貸した金額が60万円を超える場合:通常の訴訟(弁護士に依頼して裁判を起こす)
のが現実的な対応になります。
しかし、友だちを相手取って裁判を起こす以上、これまでの付き合いは望めそうにありません。結果として「お金を貸したこと」が縁を断ち切ってしまうきっかけになるのです。
いずれにしても、相手の状況を聞き出した上で冷静な対応を
いっそのこと「実は嫌々付き合っていたけど、ここまで来たらどうでも良い」という相手だった場合は、あげるつもりでお金を貸すのも1つの選択肢でしょう。
しかし、そういう相手でなければ、冷静に対応を考える必要があります。現実的に行うべき2つの対応を紹介しましょう。
公的な制度、補助を使うよう薦める
例えば、収入が激減して家賃が払えないという状態に陥っていた場合は「住宅確保給付金」の申請を行えば、一定額の給付を受ける=お金を受け取ることができるのです。
参照:厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要
あくまでこれは一例ですが、生活に困窮している人が使える公的制度はたくさんあるので、一度、市区町村役場や社会福祉協議会などに足を運び、状況を説明するように薦めましょう。
また、高度な法律上の判断を必要とする場合は、地域の弁護士会が行っている無料相談を使うことを提案してください。
「家族も交えての話し合い」を提案する
お金を無心してくる人の中には「自分が経済的に困窮していること」や「自分の行動に明らかに問題があるのに止められないこと」を家族にすら話せていない、という人も一定数いるはずです。
- どうやって伝えれば良いのかわからない
- 家族に弱みを見せたくない
- 自分が伝えることで、家族ともめるのが怖い
などの理由で話せていないことだって考えられます。
家族だけだと感情的になって話し合いが進まなかった場合でも、第三者が入ることでだいぶ落ち着いて冷静に話し合いを進められるはずです。結果として、安易にお金を貸すより、よほど「問題の根本的な解決」につながるでしょう。
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