当てはまるなら要注意。ネットワークビジネスに誘われやすい人の特徴11選

新型コロナウイルス感染症によって、飲食・小売など「人が足を運ぶこと」を前提とした業態を中心に、大幅な業績の下落や長期休業が続いています。その余波で、これらの業界にアルバイト・社員として勤務する人を中心に、経済的な不安が広がっているのが実情です。

そして、さらに嘆かわしいことに「収入が入ってこない」という心理的な不安を逆手に取り、ネットワークビジネスの勧誘によるトラブルも増えていると言います。

詳しくは後述しますが、ネットワークビジネス自体に違法性はありません。しかし、勧誘の仕方などについて、法律による厳しい規制が設けられている上に、その規制を理解しないで取り組んでいる人が多いため、トラブルの温床になっているのです。

そして、勧誘を受けやすい人にはやはり特徴があります。そこで今回は「ネットワークビジネスに誘われやすい人の特徴」について解説しましょう。

ネットワークビジネスとは

違法ではないが問題も多い

ネットワークビジネスとは

口コミによって商品を広げていく仕組み(マルチ・レベル・マーケティング)という仕組みを用いた販売方法の1つ

です。日本語では「連鎖販売取引」と言います。詳しい解説及び誘われた時の断り方については、過去に「MoneQ Guide」でも取り上げたので参考にしてください。

ネットワークビジネスの誘いには要注意。リスクと勧誘された場合の対処法

ネットワークビジネスに誘われやすい人の特徴11選

将来に漠然とした不安がある

具体的に、どんな人がネットワークビジネスの勧誘を受けやすいのか考えてみましょう。まず挙げられるのは「将来に漠然とした不安がある」人です。

冒頭でも触れた通り、新型コロナウイルス感染症の影響により「人が足を運んでくれること」を前提とした業界では、これまでに経験したことがないほどの業績の低迷を経験しています。就職難易度が極めて高い日系航空会社ですら、今は従業員を他業種の企業に出向させている状態です。

つまり「良い会社( = 就職難易度が高く、これまではいわゆる「優良企業」として一定の社会的評価を得てきた企業)に入っても、先々どうなるかわからない」という状況が実際に起こっています。

「これで良いと思って突き進んできたけど、実際どうなんだろう」というあきらめにも似た気持ちを抱いている人が多いかもしれません。その不安な気持ちにつけこんで、ネットワークビジネスの勧誘をしてくる心無い人もいるのでしょう。

独立・起業にあこがれている

会社員は社会的な信用がある程度保障されているものの

  • 時間に拘束される
  • 本当の自分の意向とはかけ離れていたとしても、会社の意向に従って仕事をしなくてはいけない

というのが実情です。これらの点が嫌だから、という理由で独立・起業にあこがれている人もいるでしょう。

ネットワークビジネスの形態で商品を販売している企業は、「ディストリビューター制(卸売業者制度)」を採用しているところがほとんどです。

つまり、その会社の商品を販売したい人が個人事業主としてディストリビューターとなり、商品を仕入れて販売するという仕組みと考えましょう。

個人事業主である以上、簡単に起業・独立することはできるのですが、肝心なのは「起業・独立した後食べていけるか」です。ネットワークビジネスに取り組んでも、それ1本で生計を立てていける人はごくわずかだということを忘れないようにしましょう。

本やニュース、人の言うことに流されやすい

人の意見を聞いたり、自分で情報収集したりして、行動を決めるのはとても大事です。しかし「集めた情報を吟味して“自分ならどうするか”を考える」ことを忘れてはいけません。

ネットワークビジネスの勧誘を受けやすい人の特徴として「本やニュース、人の言うことに流されやすい」が挙げられます。もちろん、自分で考えて行動した結果であれば、本やニュース、他人が言っていたことを参考にしても何ら問題はありません。

しかし「考える」というプロセスを挟まず

  • あの人がこう言っていたから
  • あのWebサイトにはこういうニュースが載っていたから
  • あの本にはこういうことが書いてあったから

など、人から聞いたこと、書いてあったことをうのみにする人は、ネットワークビジネスの勧誘を受けた場合に断れない可能性が高いです。

当たり前と言えば当たり前ですが、ネットワークビジネスに限らず「ある会社の商品・サービスを売る」際は、その商品・サービスのメリットを中心に話すことになります。たとえデメリットがあったとしても、その点にはほとんど触れないで進めるのも実情なのです。

「人の言うことや本に書いてあることをうのみにしがちな人」には、到底「事実に基づいた正しい判断」など望めないと考えましょう。

経済的に不満がある

  • 仕事はしているが、同年代の平均と比べて明らかに収入が低い
  • 世帯収入が低く、なかなか貯金ができない

など、何らかの経済的な不満を抱えている人も、ネットワークビジネスの勧誘を受けやすい傾向があります。「月収100万も夢ではありません!」など、具体的な金額を出されたら「それならやってみたい」と思っても不思議ではないでしょう。

しかし、ネットワークビジネスは

ディストリビューターとしてのレベルが上位であれば、年収1億円も不思議ではないものの、それ以外のほとんどの人はほとんど稼げていない

というのが実情です。

経済的に不満がある人が「今の仕事をしているからいけないんだ」と思い、何らかのアクションを起こしたい気持ちはわかりますが、ネットワークビジネスがアクションとして適当かどうかは、正直疑問が残るところです。

仕事が忙しく、時間の余裕が欲しい

企業の規模を問わず「働き方改革」が進んできているため、長時間の残業を従業員にさせる会社も減ってはいきています。

しかし、それでも会社や業種によっては(たとえ一時的にであったにせよ)長時間の残業を余儀なくされるところもあるのが実情です。肉体的にも精神的にも疲弊してしまい「もっと時間の融通が利く仕事をしたい」と思っても不思議ではありません。

先述した通り、ネットワークビジネスは「ディストリビューター制」といって、個人事業主として企業と契約を結び、商品やサービスの販売をするのが基本になります。

一見、時間の融通が利く働き方のように思えますが、実際は

  • 家族・親族、友人・知人にアポイントメントを取り付け、相手が希望した場所・時間に合わせて移動しないといけない
  • イベントやセミナーが多く、なんだかんだと拘束される

ので、必ずしも「融通が利く」とは言い切れません。

大都市圏に住んでいる

ネットワークビジネスの形式で商品・サービスを販売している企業の本社や事務所は、東京・大阪・名古屋などの大都市に集中しています。ディストリビューターは商品の仕入れや新商品のチェック、打合せなどで企業の本社や事務所に足を運ぶことが多いです。

そのため、これらの大都市やその周辺地域(東京の場合、千葉・神奈川・埼玉など)に住んでいる人の方が、ネットワークビジネスの勧誘を受ける可能性は高いと言って良いでしょう。

もちろん、大都市圏以外の地域でも、今は宅急便やオンライン会議のシステムを使ってやり取りをする人も多いので、ディストリビューターは存在します。

結局はその人の周囲の人間関係に左右されるところも多いので一概には言えませんが、ある程度の傾向として覚えておきましょう。

1人暮らし

実家暮らしの場合、同居している家族の目もあるので、ネットワークビジネス経由で購入した商品を返品したり、クレームを入れたりすることも比較的容易にできるはずです。しかし、1人暮らしの場合、そのような抑止力はほぼ働きません。

視点を変えてみると、ディストリビューターにとっては「1人暮らしの人の方が、勧誘しやすい」ということです。

寂しがり屋

昨今は時節柄難しいところもありますが、ネットワークビジネスへの勧誘の手口として「飲み会やバーベキューを開き、そこで知り合った人を中心に声をかけていく」という方法があります。

「今度、飲み会(バーベキュー)やるけど、来る?」と誘った場合、(結局は人それぞれですが)寂しがり屋で誰かとワイワイやるのが好き、という人の方が快い返事をするでしょう。

逆に「1人でも平気、むしろ1人行動の方が好き」という人は、ターゲットになりにくいかもしれません。

人懐っこくて素直

人懐っこくて素直なことは、本来であれば良いことです。しかし「ネットワークビジネスのトラブル」との関連においては、短所にもなりえます。

悪い言い方をすれば「警戒心を抱かず、人の言うことをうのみにする」人ともとらえらえるからです。

「人懐っこくて素直」という誉め言葉を周囲から何度も言われている人こそ、ネットワークビジネスには警戒しましょう。

「今度、良い化粧品があるから試してみない?」「夢をかなえるセミナーに行かない?」などと言われた場合は「ごめん、その日都合が悪くて」「化粧品は〇〇の、と決めているから」など、適当かつ相手が気を悪くしない言い訳を使って断るようにしてください。

家族や子どもの健康・安全を真剣に考えている

家族や子どもの健康・安全を真剣に考えている人の場合

  • できる限り食品添加物を使った食べ物を避ける
  • 天然素材でできた服を着るようにする

など、生活全般にこだわりが強い傾向があります。もちろん、それ自体は悪いことではありません。

しかし、ネットワークビジネスの勧誘では「大手メーカーの食品や化粧品は危険だから、安全なうちの商品を使ってみたらいかがですか?」というように、家族や子どもの健康・安全を真剣に考えている人が懸念している点を突いてくるのも実情です。

田舎から出てきたばかりの学生・新社会人である

新型コロナウイルス感染症が流行している現状ではなかなか難しい話ですが、念のため触れておきます。ネットワークビジネスの勧誘の現場においては、田舎から出てきたばかりの学生・新社会人をターゲットにした勧誘が行われていたのも珍しくありません。

「これから暮らす場所の近場に頼れる友達や知人がいない」という不安を抱えている人に対し「困ったことがあったら何でも相談して」と話を持ちかけるというパターンを考えるとわかりやすいでしょう。もちろん、純粋にその人の役に立ちたいという気持ちで声をかけたのであれば、何ら責められる理由はありません。

しかし「あわよくば、自分のところの商品・サービスを買ってもらいたい」「一緒にディストリビューターをやってほしい」という下心があるケースもあるので、要注意です。
FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

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大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

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