筆者は高校時代「英語コース」と言って、週に10コマ近く英語の授業(英文法、英会話、長文読解)があるクラスに在籍していました。そして、筆者の周囲には高校在学中に英検準1級を取得するほど「英語のできる同級生」が数人存在していたのです。
筆者自身、英語は嫌いではありませんでしたが、さすがに仕事にするほどには至りませんでした(ちなみに英検は2級止まりです)。さて、英語に苦手意識がない人であれば、もしかしたら「翻訳の仕事に就きたい」と考えたことがあるかもしれません。
実際のところ、翻訳「だけで」食べていこうと思うと、かなりの専門性と案件を獲得する営業力がないと厳しいのが実情です。しかし、副業としてやっていくなら、まったく不可能な話ではありません。そこで今回は
- 案件の見つけ方
- 副業として翻訳で稼ぐコツ
の2点を中心にお話ししましょう。
目次
実際、未経験でも翻訳を副業にできるの?
結論から言えば可能
最初に、全くの未経験の人が、翻訳を副業にすること = 仕事を引き受けてお金を稼ぐことはできるのかについて考えてみましょう。結論から言えば、可能です。
英語力の目安はどのくらい?
なお、求められる英語力の目安ですが
- TOEIC(R)であれば800点以上
- 英検(実用英語技能検定)準1級以上
と考えておきましょう。一般的に、ここまでのレベルに到達していれば「英語が得意」と言って構わないとされているためです。企業でも、海外赴任の打診や幹部候補生としての処遇を決定する際の1つの指標として「TOIEC800点」を用いるケースは多々あります。
もちろん、案件によっては英検なら2級、TOEIC(R)なら700点以上あれば太刀打ちできる場合が多いです。しかし、たとえ副業であっても翻訳の仕事を続けていきたいと思うなら、まずは上で挙げた目安を達成できるようにしましょう。
最初はお小遣い稼ぎ程度の報酬
また、他の仕事(本業・副業含む)と同じで、未経験のうちは得られる報酬が非常に安いです。どちらかというと「お小遣い稼ぎをしながら、勉強している」くらいに割り切った方が楽かもしれません。
翻訳と一口に言ってもレベルは様々
翻訳と一口にいっても、レベルは様々です。簡単なものであれば
- ブログ・ホームページの和訳・英訳
- 自主映画の字幕用のセリフの和訳・英訳
- スマホサイトの文章の和訳・英訳
- ゲーム字幕の英訳
- ホテル・旅館内の掲示物・メニューの英訳
- Instagram、TwitterなどのSNSの投稿の和訳・英訳
などが考えられます。一方、かなり高度な知識と経験が必要とされるものとしては
- 英語論文の和訳
- 化粧品のカタログの英訳
- 金融・医学関連の記事・論文の和訳
- 英文インタビュー原稿の和訳
- 英語翻訳文のチェック・修正
- 人材派遣契約に関する契約書の英訳
などが挙げられるでしょう。
翻訳を副業にする場合の案件の見つけ方
最初はクラウドソーシングでチャレンジ
実際のところ、翻訳を副業にする場合の案件の見つけ方ですが、全くの初心者であればクラウドソーシングを探すのが手っ取り早いです。
出典:クラウドワークス
上の画像のように「単価は安いものの、簡単な案件」がちょくちょく出回っています。まずは「翻訳をすること」に慣れるのが先決なので、見つけ次第どんどん取り組みましょう。
慣れてきたら業務委託の案件を探す
ある程度回数をこなせば「翻訳をすること」がどんなことなのか、全体像が見えてくるはずです。そうなったら、業務委託という形で翻訳担当者を募集している企業や派遣会社をあたり、応募してみましょう。
実際のところ、募集されている案件の性質やタイミングによるので、必ず翻訳の仕事にありつけるとは限りませんが、それこそ「数撃てば当たる」です。
- 自分はなぜ翻訳の仕事をしたいのか
- 翻訳の仕事をする際、どういう点に気を付けているのか
- 将来はどの程度まで翻訳の仕事を続けていきたいのか
などを、自分の言葉で語れるようになっておくと良いでしょう。
翻訳の副業で稼ぐコツは?
納期は厳守する
実際に翻訳を副業にするにあたって、稼ぐコツ = 意識すべきポイントについて解説しましょう。最も大事なのは「納期は厳守する」ことです。
極端な話、最初のうちは下手でも良いので、納期を守ることだけは徹底しましょう。先方は「この日までに何らかの成果物が上がってくること」を予想してスケジュールを組んでいます。しかし、成果物が上がってこないと、その後のスケジュールがすべて狂ってしまうのです。
初心者のうちは、そこまで重要な案件を依頼されることはないはずなので、いまいち実感しにくいかもしれませんが「外国で売っていた本の和訳」「重要な契約書の英訳」など「定められた期日までに提出しないと、プロジェクト自体がとん挫するもの」を任された場合は、納期に遅れることで、その後一切仕事が回ってこなくなることも考えられます。
もちろん、自分や家族の急病、事故などがあった場合はこの限りではありません。それでも「納期までの提出は無理」と分かった時点で担当者に連絡し、対応を仰いでもらうようにしましょう。念のため、家族にも「もし、自分が連絡できる状況じゃなくなったら、この人に電話して事情を話しておいて」と申し送りをしておくのをおすすめします。
常に勉強を怠らない
ある程度の英語力があれば、翻訳の仕事は始められますが、スピードを上げるためには、日々英語の勉強も怠らないようにしましょう。今は時節柄難しいかもしれませんが、TOEICテストも定期的に受験し「今、自分の英語力がどの程度のレベルまで達しているのか」を客観的に見るのをおすすめします。
また、英語の表現力を学ぶという意味では、オンライン英会話にチャレンジするのも1つの手段かもしれません。ネイティブスピーカーが普段使っている表現でも、日本で暮らしている限りはまず耳にしないものはたくさんあります。実際に会話を交えて教えてもらうことで、知識がより蓄えられるはずです。
まずは件数をこなす
「継続は力なり」と言いますが、これは翻訳にも当てはまります。やはり、ある程度の件数をこなすことで、自身の実績にもなる上に「ここはこうすれば良いのか」といった勘所もつかみやすくなるためです。
翻訳後の文章にも気を配る
案外盲点になりがちなのが「英語の文章を和訳した場合の文章としての読みやすさ」です。そもそも、インターネットでも翻訳が無料でできてしまうこのご時世に、なぜ人の手を介しての翻訳が求められるのかを考えてみましょう。
答えは簡単で「文章として読みやすいものにしてほしいから」です。英語をそのまま直訳したのでは、文章として読みづらくなってしまうことは往々にしてありえます。
和訳した場合は、自分が書いた文章を時間をおいて読み返し「日本語としておかしくないか」を考えてみましょう。
専門分野を作る
あくまでお小遣い稼ぎ程度で翻訳の仕事をするならあまり気にする必要はありませんが、意外に性に合っていた場合は「在宅でもできる本業にしよう」など、気が変わるかもしれません。
その時に考えてほしいのが「専門分野を作ること」です。翻訳に関連する業界団体の1つ・一般社団法人日本翻訳連盟は公式Webページで「翻訳料金の目安」を示しています。
上の表からもわかる通り、専門的な分野になればなるほど、単価が非常に高くなります。ここまでの専門性を身につけたいなら、翻訳スクールに通ったり、関連する分野の資格を取ったりなど、相応の努力が必要になりますが「一生食いっぱぐれはない」状態になれるはずです。
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