クレジットカードには、ある月の利用分を翌月(翌々月のこともある)に一度に支払う「一括払い」をはじめ、様々な支払方法が存在します。その中でも誤解されがちなのが「ボーナス払い」です。
その名前から「ボーナスが出ない人は使ってはいけないのか」と思われがちですが、決してそんなことはありません。ただし、かなり特殊な方法であるため、注意が必要です。
目次
ボーナス払いとは
所定の月にまとめて払う方法
詳しくは後述しますが、店舗での支払いの際「ボーナス払い」を指定することで、利用できるようになります。
クレジットカード会社ごとに扱いは違うので注意
なお、ボーナス払いの「いつからいつまでの利用分を、どのタイミングで支払うか」という扱いは、クレジットカード会社ごとにまったく違うので、注意してください。
楽天カードの場合
例えば、楽天カードの場合、利用日と支払日の関係は以下のようになっています。
期間 | 利用日 | 支払日 |
---|---|---|
夏季 | 2月1日 ~ 6月30日 | 6月27日・7月27日・8月27日 |
冬季 | 8月1日 ~ 11月30日 | 12月27日・1月27日 |
出典:ボーナス払い お取扱い期間・手数料・リボ変更|楽天カード
イオンカードの場合
また、イオンカードの場合、利用日と支払日の関係は以下のようになっています。
期間 | 利用日 | 支払月 |
---|---|---|
夏季 | 11月21日 ~ 6月20日 | 7月2日、8月2日、9月2日のいずれか |
冬季 | 8月1日 ~ 11月30日 | 1月2日 |
出典:ボーナス一括払いやボーナス2回払いの取扱い期間および支払い日はいつですか。 | よくあるご質問| 暮らしのマネーサイト
ボーナス払いのメリット
支払いを後ろ倒しにできる
どこまで後ろ倒しにできるかは、クレジットカード会社や加盟店での扱いによって差がありますが、先ほど紹介したイオンカードを例にして考えてみましょう。
仮に、2020年11月21日にイオンカードで買い物をして、ボーナス払いをした場合、翌月払いにした場合に比べ、どれだけ支払いを伸ばせるか考えてみましょう。
- 翌月一括払いの場合の支払日:2021年1月2日
- ボーナス払い(9月2日が引落日だった場合): 2021年9月2日
8カ月も支払いを後ろ倒しにできる計算になります。
分割払い、リボ払いのように手数料がかからない
クレジットカードの場合、一括払いの場合は手数料がかかりませんが、分割払い(3回以上)やリボ払いの場合、クレジットカード会社所定の手数料がかかります。
ボーナス2回払いの場合は要注意
ただし、ボーナス払いであっても、2回払いにした場合は手数料がかかるケースがあるので、注意が必要です。
例えば、先ほど紹介した楽天カードの場合、ボーナス1回払いでは手数料がかかりませんが、ボーナス2回払いの場合は年13.89%の手数料がかかります。
一方、イオンカードの場合、ボーナス1回払いでは手数料がかかりませんが、ボーナス2回払いの場合は年3.00%の手数料がかかります。
ボーナス払いの注意点
ボーナス払いができない店舗、期間がある
一方、ボーナス払いを使う場合、注意すべき点が多々あるのも事実です。まず、ボーナス払いを受け付けるかどうかは、店舗の判断によって決まります。
また、クレジットカード会社や店舗の判断により、ボーナス払いを受け付けない期間が設定されていることもあります。たとえば、MUFGカードでは、ボーナス払いが利用できる利用日と支払日は、以下のように定められています。
期間 | 利用日 | 支払日 |
---|---|---|
夏季 | 12月16日 ~ 6月15日 | 8月10日 |
冬季 | 7月16日 ~ 11月15日 | 翌年1月10日 |
出典:MUFGカード ボーナス一括払い|クレジットカードなら三菱UFJニコス
つまり、毎年6月16日から7月15日に利用した分について、ボーナス払いにしてもらうことはできません。
割賦取引利用可能枠の金額によっては利用できないこともある
クレジットカードには、それぞれにカード利用可能枠が設定されていますが、その中の1つに割賦取引利用可能枠があります。簡単に言うと
です。割賦取引利用可能枠は、その人の支払能力に基づいて上下するため、ボーナス払いで支払いたい金額よりも、割賦取引利用可能枠が下回っていた場合は、ボーナス払い自体が利用できません。
また、リボ払い、分割払いの残高が多い場合も、割賦取引利用可能枠の残額が、ボーナス払いで支払いたい金額を下回ることがあるので、注意が必要です。
店舗で最初に指定しないと利用できない方法である
ボーナス払いをしたい場合は、店舗で実際に支払いをする際に「ボーナス払いでお願いします」と伝えなくてはいけません。
逆に、一度ボーナス払いを指定したとしても、後で一括払いや分割払い、リボ払いに変更することは可能であるパターンが多いです。
ただし、クレジットカード会社によっても扱いが異なるので、実際に変更したい場合は、一度コールセンターに連絡をし、状況を確認してもらってからにしましょう。
支払いが終わるまで利用限度額が減る
ボーナス払いの未決済残高も、クレジットカードの利用限度額の中には含まれます。そのため、ボーナス払いの決済が完了するまでは、ショッピング枠の利用限度額は復活しないのです。わかりやすくするために、具体的な数字例を用いて考えてみましょう。
例えば、ショッピング枠の利用限度額が50万円のクレジットカードがあったとします。仮に、このクレジットカードを持っている人が10万円の買い物をし、それをボーナス払いで支払った場合を考えてみましょう。
なんらかの理由でまとまった出費をしないといけない場合は、あらかじめボーナス払いとしていた分を繰上げ返済するなど、工夫が必要になります。
ボーナスが出なかった場合資金計画がショートすることがある
ボーナス払い自体は、たとえボーナスが出ない人であっても利用可能です。しかし、中には名前の通り「ボーナスが出ることを当て込んで」使う人もいるでしょう。そのような人に注意してほしいのは「ボーナスは100%出るとは限らない」ということです。
会社で働いた場合、その分の賃金を支払わないのは違法です。しかし、ボーナス=賞与はあくまで会社の業績に応じて社員に支給されるものであるため、たとえ支給しなかったとしても違法になりません。創業間もないベンチャー企業であったり、業績が急激に悪化したりした場合は、ボーナスの支給を見送る場合もあるでしょう。
ボーナスが出ることを見込んでボーナス払いにしていた人の勤務先において、ボーナスが支給されないことになった場合、蓄えがなければ資金計画がショートしてしまうことは十分に考えられます。
このことを考えると
- 特定の時期にまとまったお金が入る確率が高い
- 仮にそのお金が入ってこなかったとしても、他の手段でお金を用立てることができる
の2つの条件を満たさないと、ボーナス払いを使うのは厳しいでしょう。
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