筆者も筆者の夫も、このようなご時世故、リモートワーク(在宅勤務)をしています。しかし、これは「2人もパソコンがあれば何とかできる仕事をしている上に、正社員である」ことが関係しているでしょう。
逆に、販売や飲食など「現場に入り、お客さんと接すること」が中心の職業では、なかなかリモートワークは難しいかもしれません。
そして、詳しくは後述しますが「本来なら、リモートでできるはずの仕事」であっても、アルバイトは出社が必須である扱いをしている職場も結構あるのです。「健康にはそれなりに自信があるけど、今後何が起きるかわからないから、できればリモートでアルバイトをしたい」と思う人におすすめのサービス「リモートバイト」を紹介します。
目次
バイトのリモートワーカーは超少数派
本題に入る前に「バイトのリモートワーカーは超少数派 = アルバイトとして勤務する場合、職場への出勤が基本となる」という話を、公的なデータを用いて説明しましょう。
正社員は100人中30人なのにバイトは100人中6人
国土交通所がまとめた「令和2年度テレワーク人口実態調査-調査結果-」によれば、雇用形態別のテレワーカーの割合は、以下のように分布していました。
正規 | 29.8% |
---|---|
派遣・契約・嘱託 | 20.8% |
パート・アルバイト | 6.4% |
出典:国土交通省「令和2年度テレワーク人口実態調査-調査結果-」
大まかにまとめてしまうと「正社員の場合、100人いたら30人はテレワークをしているが、パート・アルバイトの場合は6人くらいしかテレワークをしていない」という意味になります。
リモートが進んでいる業界でもバイトは出社することも
もちろん、正社員であっても飲食業、小売業などのサービス職であれば、店舗が営業している以上は出社することになります。そのため、パート・アルバイトなどの有期雇用者と正社員(正規雇用者)との間でのテレワーカーの割合にはさほど差がありません。
先ほど紹介した国土交通省「令和2年度テレワーク人口実態調査-調査結果-」をもとにして、テレワーカーが多い上位5職種について、雇用形態別のテレワーカーの割合をまとめた表を作りました。結果がこちらです。
職種/雇用形態 | 正規 | 派遣・契約・嘱託 | パート・アルバイト |
---|---|---|---|
研究職 | 55.9% | 58.9% | 51.6% |
管理職 | 43.8% | 45.7% | 33.3% |
専門・技術職(技術職) | 44.8% | 43.1% | 19.0% |
営業職 | 41.5% | 34.4% | 10.5% |
専門・技術職(上記以外の専門・技術職) | 38.1% | 38.1% | 23.1% |
出典:国土交通省「令和2年度テレワーク人口実態調査-調査結果-」
特に、専門・技術職(技術職)と営業職において、正規雇用と有期雇用の間ではっきりと差が出ているのがわかるでしょう。
バイトのリモートワークがなかなか進まない3つの理由
ここで、なぜ、パート・アルバイトだと、仕事のリモート化が進んでいないのか考えてみましょう。
そもそもリモートワークがそぐわない仕事が多い
日本の大手経済系出版社・東洋経済新報社が運営するWebメディア「東洋経済オンライン」編集部が調査を行ったところによれば、非正社員(パート・アルバイトなどの有期雇用者)への依存度が高い企業のトップ10は以下の通りでした。
順位 | 社名 | 業種 | 非正社員比率 |
---|---|---|---|
1 | セリア | 小売業 | 96.0% |
2 | 東京個別指導学院 | 教育、学習支援業 | 95.5% |
3 | パレモ・ホールディングス | 小売業 | 92.3% |
4 | 小僧寿し | 飲食業 | 91.7% |
5 | CSSホールディングス | サービス業 | 90.6% |
6 | 銀座ルノアール | 飲食業 | 90.4% |
6 | WASHハウス | サービス業 | 90.4% |
8 | カッパ・クリエイト | 飲食業 | 90.3% |
9 | 篠崎屋 | 小売業 | 89.9% |
10 | サンマルクホールディングス | 飲食業 | 89.7% |
出典:東洋経済オンライン「非正社員への「依存度が高い」500社ランキング」より筆者作成
表からもわかる通り、10位までにランクインした企業はすべて「顧客が店舗など特定の場所に赴き、商品・サービスの提供を受ける」業種に属します。
そもそも社内の担当者の理解が間違っている
IT系、Web系などリモートワークが十分可能な業種であっても「正社員はリモートワークができるが、派遣社員やアルバイトは出社」など、雇用形態によってリモートワークの実施可否に差を設けていることがあります。
しかし、このように「雇用形態によって待遇に差を設ける」のは、法律上NGです。
「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パート・有期法)」という法律に「雇用形態の違いで、リモートワークの可否が分かれるなど、差別的な扱いをしてはならない」(同法第8条・9条)という決まりがあります。
そのため、まずはリモートワークをさせてくれないかどうか、改めて会社の担当者と話し合った上で、らちが明かないようなら
- 管轄の労働局、労働基準相談所に相談し、対応を考える
- いっそ「そんな職場ならもう無理」と割り切り、別のバイトを探す
などの対応を取りましょう。
そもそもスキルや経験が足りない
そして、リモートワークでバイトをしたいと思う側にも、解決すべき課題はあります。リモートワークが普及している職種として
- 研究職
- 営業職
- 管理職
- 技術職
が挙げられますが、これらは「一定水準の技術・経験が必要とされる」職種です。
無料でスキルが学べてオファーも来る!「リモートバイト」って何だ?
「それなら、将来のためにリモートワークに対応できるスキルを身につけておきたいけど、バイトもしないといけないし…」と悩んでいる人にお勧めしたいサービスがあります。それが「リモートバイト」です。
リモートワークのスキルが学べてオファーも来るサービス
出典:ディップ株式会社「リモートバイト(https://remotebite.work/)」
「リモートバイト」とは、簡単にまとめると
です。
基本的な使い方
出典:ディップ株式会社「リモートバイト(https://remotebite.work/)」
基本的な使い方の流れは、以下の通りです。
- 公式Webページにアクセスし、自分が希望するコースを選択して研修を受講する
- 受講が完了したら、受講完了の報告をし、専用のSlack(グループウェア)に招待してもらう
- リモートワークができるアルバイトへのオファーを待つ
- オファーが来たら、引き受けるかどうかを考え、引き受けるなら就業する
「リモートバイト」のスゴイところ4つ
また、リモートバイトは、これまでのアルバイト求人サイトにはないユニークな特徴を有しています。以下の4点について解説しましょう。
100%オンライン完結
昨今は時節柄、オンラインでの面談にも応じる企業が増えてきましたが、アルバイトやパートの募集となると「求職者が事務所まで出向き、面接をする」のが一般的でした。
極端な話、一歩も家から出ないでも仕事が始められる仕組みです。
5コース、20種類以上の研修で基礎からスキルアップ可能
2021年8月現在、リモートバイトで受けられる研修は、次の5コースから成っています。
- ITコンサル基礎コース
- デジタルマーケティングコース
- 法人営業基礎コース
- 事業開発コース
- プロトタイプ開発入門コース
さらに、コースごとに基礎から学べる研修コンテンツが用意されているため、「未経験ではあるものの、興味がある分野」の仕事をするために必要な知識が無理なく学べる仕組みです。
頑張れば頑張るほど高報酬のオファーが届く
リモートバイトは「リモート研修の受講状況やテストの点数に応じたスコアを元に、リモートバイトのオファーが届く回数や、提示される報酬額が上がっていく」というのが基本的な仕組みです。
登録~利用~オファーまですべて無料
「これだけいろいろやってくれるなら、入会料とか月会費とか払わないといけないの?」と不安になるかもしれませんが、すべて無料です。
運営会社の方にも話を伺いました!
これを書いている現在、東京都を中心とした大都市には緊急事態宣言が発令されています。2つの都道府県間をまたぐ移動が自粛されている状況だからこそ、リモートワークでできるアルバイトを探している人はたくさんいるはずです。そういう意味でも画期的なサービスだと思いました。
そこで「なぜ、こういうサービスを始めようと思ったのか」を中心に、リモートバイトの運営元であるディップ株式会社の担当者様にお話を伺いました。伺ったお話を再構成して紹介します。
「有期雇用でのリモートワークの普及の遅れ」を何とかしたい
まず「リモートバイトというサービスを始めようと思ったきっかけ」について伺いました。
正社員などの正規雇用に比べると、アルバイト・パートなどの有期雇用の人に対してのリモートワークの普及が遅れているのが現状です。原因の1つに「未経験からできるリモートワーク自体が少ないこと」が挙げられます。そこで、私どもでは「まず、リモートワークで使えるスキルの研修を行い、その後、リモートワークでの仕事を提供する」という流れを作り出すことを考えました。
また、多くの企業も、人材採用上の大きな課題に直面しています。ハイスキルな人材を採用したいと思う企業は多いものの、なかなか採用に至らないことです。原因の1つに「果たして求職者が必要なスキルを有しているかどうか、人事担当者に見極めるスキルがない」ことが挙げられます。
私どもは従前から労働力の提供を行ってきた企業でもあるので、今後は相応のスキルを有する人材を育成し、「総合的な労働力の提供」に取り組んでいく必要があるでしょう。その一環として、今回「リモートバイト」を開始しました。
50文字の作文から生まれました
次に「サービスを立ち上げる際のエピソード」について、興味深い話を伺えたので紹介します。
実は、キャッチコピー・課題設定・サービス内容・初期参入方法・検証方法・マネタイズ・売上試算の8項目について、それぞれ50文字で作文をするところから、リモートバイトの開発はスタートしました。
社内承認を経た後、サービスページのデザインや、研修中・後・オファーのユーザーフォロー体制など、実際にサービスを形にしていく過程を経て、リリースに至っています。
いわば、リモートバイトは「50文字の作文から生まれたサービス」と言えるでしょう。
学生、主婦・主夫、「事情があって在宅がマスト」の人にこそ使ってほしい
最後に、どんな人にリモートバイトを使ってほしいのかについて、話を伺いました。
一言でまとめると、学生や主婦・主夫の方々、そして健康上の理由などにより在宅勤務を強くご希望される方々です。
私どもはこれまで、求人情報サイトの「バイトル」、「はたらこねっと」などを運営してまいりました。しかし、これらの求人媒体では、学生や主婦・主夫の方々、在宅勤務でないと難しいご事情をお持ちの方々に向けた求人を掲載し、採用にまでつなげるのは難しかったのが実情です。
今回の私どもの取り組みが、このような方々にご自身の納得がいく仕事を見つけていただく一助となればと幸いです。
サポート体制も万全
また、筆者は個人的に「基礎から学ぶということは、サポート体制も大事なのでは?」と思ったので、サポート体制についても伺いました。
ご協力、ありがとうございました!「リモートバイト」に興味がある方は、まずは公式Webページへの登録から始めてくださいね。
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