40代女性でも転職はできる!経験者が語る意識すべき4つのポイント

一般論として、年齢が上がれば上がるほど、転職においては不利と言われています。人によっては「30代ならまだしも、40代に入ると絶望的」と身もふたもないことを言うくらいです。

また、本来あってはならないことですが、男性よりも女性のほうが、結婚・出産・育児などの理由により仕事を離れる期間がある場合が多いことから、転職においては不利になりがちです。つまり「40代で女性」だと、かなり転職は難しくなると考えられがちですが、やり方次第では十分に通用します。

ここでは、実際に40代で転職をした筆者の経験をもとに、これから転職にチャレンジする人のためのアドバイスをお伝えしましょう。

ポイント1.給料を上げるために転職する、と考えない

給料が上がるのは仕事の成果が評価された時だけ

転職の理由に、現時点で勤務している会社の給料の低さを挙げる人は一定数います。確かに、給料があまりに低ければ生活していけないのは事実です。

しかし、どんな会社に転職したとしても、給料が大幅に上がるのは、自分の仕事の成果が評価された場合だけということは、強く意識しておきましょう。

高い給料には裏がある

また、給料の高さだけに目を付けて求人を選ぶのには、思わぬ落とし穴も待っています。給料が高いということは、それだけ高い成果も求められるのです。運よく採用されたとしても、仕事についていけず、成果を出せなければ、試用期間が終わったところで正式採用見送り、という結果にもなりかねません。

法律上は、試用期間が終了した時点で会社から正式採用見送りを言い渡すのは、実質的な解雇にあたるため、ハードルが高いのが事実です。しかし、話し合いの結果、社員の側から退職することを言い出すという流れになるのは、それほど珍しくないので、たとえ試用期間であっても、ベストを尽くしましょう。

どんな環境なら自分の力が発揮できるか考える

結局のところ、給料が上がるかどうかは、転職してからの自分の努力にかかっていると考えましょう。そうなると、次に考えなくてはいけないのは「どんな環境なら自分の力が発揮できるか」ということです。

これまでしてきた仕事や、子ども時代・学生時代の自分自身の生活を振り返れば、おのずと「自分にとっての理想の職場環境」が見えてくるはずです。

ポイント2.社風が自分に合いそうかを見極める

事実上、最後の転職になる可能性大

「自分が理想とする職場環境」について考えてみたら、求人を選ぶ段階に入りましょう。その時に注意したいのは「社風が自分に合いそうか」を見極めることです。

40代に入ってからの転職活動は、事実上、人生で最後の転職になる可能性が大きいため「そう簡単に辞めたいと思わなくて済むか」が非常に重要になります。このあたりをおろそかにしてしまうと「こんなはずじゃなかったから、やっぱりまた転職したい」と、無意味な転職活動を繰り返してしまいがちです。

だからこそ、会社のWebページや転職サイトなどで、その会社の社風をチェックすることは、欠かさずに行うようにしてください。経営者のインタビューやブログ、SNSが公開されているようなら、併せて読んでみるのもいいでしょう。

これからの人生に求めるものを棚卸する

また、社風が自分に合うかどうかを見極めるためには「自分がこの先の人生において何をしたいか、どう生きていきたいか」も重要な要素になります。プライベートを重視するつもりだったにも関わらず、残業や休日出勤が多い(そして、それをいとわない社員が一定数いる)会社を選んでしまったらお互いに不幸です。

自分の価値観に照らし合わせれば、少なくとも避けたほうがいい会社はわかるはずなので、冷静に見極めてください。

ポイント3.自分の強みを明確にする

マネジメント経験があればかなり有利

自分の価値観に合いそうな会社がどんなものかがわかったら、次は「会社に対して、自分が何をできるか」を考えてみましょう。

40代で転職する場合、20代や30代のように「これからの伸びしろ」を見てもらえる可能性は極めて低くなります。逆に「年齢を重ねているからこそ得られるもの」をアピールするようにしましょう。

絶好のアピール材料となるのは、やはりマネジメント経験です。その際には、ただ淡々と経験を話すのではなく「相手にわかるように伝える」のが大事になります。例えば

  • どんなプロジェクトをマネジメントしたのか(人数、目標金額など)
  • マネジメント業務に何年従事したのか
  • 達成度合いはどのくらいか(例:残業、工数を〇%削減できたなど)
  • 自分が手掛けたチームにはどんな課題があり、それをどのように解決したのか

などのポイントに注意して話しましょう。

マネジメント経験がない場合は資格、スキルを打ち出すこと

一方、マネジメント経験がない場合は、自分が仕事を通じて培ってきたスキルや、自己啓発の一環として取得した資格をアピール材料にするとよいでしょう。過去の仕事で手掛けた公表できる制作物などがあれば、選考の際に提出し、面接官に見てもらうのも1つの手段です。

また、スキルや取得した資格について話をするときは「その資格、スキルを使って、会社に対してどんなことができるか」を意識するようにしてください。

ポイント4.前向きかつ謙虚に取り組む

年齢による記憶力、体力の低下は確かにある

40代の転職において大事なのは「前向きかつ謙虚に取り組む」ことです。40代にもなると、20代や30代のときに比べて、記憶力・体力は著しく低下します。20代や30代の時と同じように、勢いだけで動いても結果は伴いません。

効率的なやり方を考えることでカバーできる

しかし、40代には20代や30代にはない経験や知識という武器があります。だからこそ、与えられた仕事に対しても、同じ時間でより多くの効果が得られる、効率的なやり方を考えられる余地があるはずです。

むしろ、会社は40代で転職してくる人に対しては、このように「年齢を重ねているからこそ得られるもの」を求めているのは1つの真実でしょう。

周囲には謙虚な態度で接する

「実るほど頭が下がる稲穂かな」という言葉があります。これは、稲が実ると先端が重くなり、下がってくるのと同じように、人も経験や知識を積み重ねると、周囲に対して謙虚になってくるという意味です。

ある意味、40代の転職において最も大事なことが、この言葉に集約されているでしょう。20代や30代のころよりは、40代は経験や知識が積み重なっています。しかし、経験や知識に乏しいからといって、周囲を見下すことは絶対にしてはいけません。

「年下だから」と馬鹿にするのではなく、良いと思える意見や行動は積極的に取り入れ、上手に協調して仕事を進めましょう。

「お局様」はやっぱり嫌われる

昔から用いられてきた俗語に「お局様」があります。本来は宮廷に仕える女性のことを指す言葉でしたが、現在では「周囲の社員に尊大な態度を取る比較的年齢層の高い女性社員」を指す言葉として使われています。

実は、40代女性が転職するときは、自分が「お局様」として周囲から煙たがられないように気を付けるべきであるのも事実です。40代にもなれば、これまで仕事でいろいろと経験してきているうえに、知識もそれなりにあります。だからこそ、20代・30代の社員の仕事の進め方について、思うところがあれば口をはさみたくなってしまうはずです。

しかし、仮に実生活では年下だったとしても、その職場においては先輩です。「相手が何を考えて、そのやり方で仕事を進めているのか」をまずは考え、求められてもいないのに不要なアドバイスをするのは止めましょう。(もちろん、人の命がかかっていたり、明らかに問題がある方法で進めていた場合は別です。)
FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

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大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

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