筆者はファイナンシャルプランナーとして仕事をしていますが、やはり「貯金が苦手」という悩みを抱えている人には多く出会ってきました。話を聞いていると、意外と「完璧にやろうとしすぎて挫折する」という人がいるように思えます。そこで「今まで貯金をしようとしたけど挫折した」のために、小銭貯金について詳しく解説しましょう。
目次
小銭貯金のメリット
財布が軽くなる
近年はキャッシュレス決済が普及しつつあるため、小さい財布に買い換える人が増えてきています。カード数枚と少しの紙幣・小銭が入ればいいということです。
小さい財布にも、小銭が入るスペースがあることが多いですが、あまりたくさん入っていては見苦しいし、財布自体も傷んでしまうでしょう。現金で買い物をした際のおつりとして、小銭をもらった場合は、積極的に小銭貯金をすることで、財布を軽くできます。
気軽に取り組みやすい
銀行の定期預金口座にお金を預ける場合、初回の設定をしなくてはいけなかったり、ATMに足を運ばなくてはいけなかったりと、いろいろと済ませなければいけないことはあります。1つ1つは大した手間ではないように思えるかもしれませんが、仕事や家事・育児などで忙しい人にとっては、高いハードルかもしれません。
意識してお金を使う習慣が身につく
小銭貯金を始めると、無意識のうちに「小銭をもらうためにはどうすればいいか」を考えて買い物をするようになるはずです。
達成感が得られやすい
小銭がいっぱい貯まっている様子を見ると「自分はこんなに頑張って貯めてきた」という達成感を味わえるでしょう。今まで貯金をしようとして、挫折してきた人にとっては、大きな一歩かもしれません。実際は決して多い金額ではなかったとしても「自分にもできた」という気分を味わえることは、今後も貯金を続けていく上で大きなプラスになるはずです。
小銭貯金のデメリット
意志が弱いと使ってしまいがち
一方、小銭貯金のデメリットとしては、意志が弱いと目標金額を達成するまでにお金を使ってしまいがちになることでしょう。小銭が貯金箱に入っている状態で家に置いたままにしておくと、手元のお金が足りない時についつい拝借してしまうかもしれません。
一度や二度ならそこまで問題にはなりませんが、頻繁にこういうことがあると、なかなか成果には結びつかないので、気を付けましょう。
貯まった小銭を銀行に持っていく手間がかかる
現実的には、小銭貯金をしていても、ある程度貯まったところで小銭を銀行に持っていき、口座に入金するのが、お金の管理の面でも、防犯面でも優れています。
しかし、銀行に持っていく手間がかかる上に、銀行によっては、一度に多額の小銭を窓口で預けようとすると、手数料がかかることに注意が必要です。
例えば、みずほ銀行の場合、窓口で小銭を預ける場合、枚数に応じて以下の手数料がかかります。
硬貨持込枚数 | 手数料金額(税込) |
---|---|
1~100枚 | 無料 |
101~500枚 | 550円 |
501~1,000枚 | 1,320円 |
1,001枚~ | 1,980円(以降500枚毎660円を加算) |
ATMであれば、小銭を預ける場合でも手数料はかかりません。ただし、銀行の本支店の一角に設置されているATMでないと小銭での入金ができなかったり、小銭での入金は平日の昼間しか受け付けていなかったりすることもあり得ます。
小銭貯金のやり方5選
500円玉貯金
一口に小銭貯金といっても、様々な方法があります。例えば、500円玉貯金は、財布の中に入っている500円玉のみを貯金していく方法です。500円玉でおつりがもらえる機会があれば一気に貯まりやすいですが、500円玉がなかなかもらえない状態だと、成果も出にくいでしょう。
100円玉貯金
500円玉貯金ではハードルが高いという人は、100円玉貯金にチャレンジしてみましょう。1000円札で買い物をしておつりをもらえば、かなりの高確率で100円が入っているはずなので、貯めやすいでしょう。
365日貯金
365日貯金とは、1マスごとに1から365までの数字が書かれたシートを使った貯金方法です。最近では、この方法に対応したスマートフォンアプリも出ています。
毎日好きな数字を選んで、マスに書いてある金額を貯金し、その数字のマスを塗りつぶす、というのが基本的な流れになります。例えば、「100」のマスを選んだら、100円を貯金箱に入れ、200のマスを塗りつぶす(アプリの場合はタップする)と考えましょう。
ちなみに、1円~365円のマスを全部埋めると、66,795円になります。約7万円と考えれば、家族で旅行に行くときの足しや、ちょっといい外食をするときの資金にできるはずです。
つもり貯金
「カフェでカフェラテを買ったつもり」など、本来だったらお金のかかることを我慢した見返りに、一定額を貯金する方法です。お金を払う際に「貯金をするために、このお金を浮かせられないか」を考えるようになるため、無意識のうちに節約をする習慣が身につくでしょう。
買い物のおつり貯金
スーパーなどに日用品の買い物に行った際、本来の予算からあまった部分を貯金する方法です。こちらも、先ほどの「したつもり貯金」のように、貯金をするために無意識のうちに節約をする習慣が身につくようになります。
小銭貯金を続けるコツ
目標を明確にする
小銭貯金も含め、貯金をする際に重要なのは「何のために貯金をしたいのか」を明確にすることです。ただ「なんとなくお金を貯めておかないと不安だから」というのではなく「来年、旅行に行きたい」「あこがれていたバッグが欲しい」など、具体的な目標を定めたほうがいいでしょう。
期限を区切る
貯金をする以上、ある程度は節約を意識して引き締めていかないと成果は出ません。そのため、何かを我慢しなくてはいけないでしょう。しかし、我慢を続けた状態で長く過ごすのは、精神衛生上良くありません。途中で燃え尽きてしまうのを防ぐためには「〇月〇日までに7万円貯める」などのように、具体的な期限を決めるのをおすすめします。
財布を整理する
小銭貯金をするためには、考えてお金を使うことが非常に重要です。そのため「今、財布にいくら入っているのか」「割引が受けられるクーポンやポイントカードはないか」は、的確に把握しておく必要があるでしょう。
マイルールを決める
先ほど紹介した小銭貯金の方法のように、実際に小銭貯金をする際は、自分なりのルールを決めて取り組むといいでしょう。例えば「週の終わりには、残高がいくらになっているか確認する」「できるだけ、おつりに500円が入るように考えて買い物をする」などが考えられます。
しかし、最も大切なのは「楽しみつつ続ける」ことです。あくまで「日々を楽しく、快適に過ごすため」のものと考え、まずはゆるく始めてみましょう。マイルールに関しても、無理が生じてきたら適宜見直し、上手に続けられるようにしましょう。
コメント