筆者を含め、ファイナンシャルプランナーであれば、誰でも1回は
- 「節約しなさいと言われたけど、何をしていいかわかりません」
- 「節約しようと頑張ってきたけど、なんだかうまくいっていない気がします」
という、節約に疲れがちな人の相談を受けたことがあるはずです。
それくらい節約に疲れがちな人、つまり
- 節約をしたくても具体的に何をすべきかわからない
- 節約を頑張っているつもりだが今ひとつ効果が実感できない
という人は多いように思います。
そこで今回は「学校では教えてくれない」お金の勉強ができる無料オンラインスクール「カネスタ」を使って、プロのストレスフリーな節約術を学ぶ方法をご紹介します!
節約に疲れがちな人が陥っている6つの落とし穴
そもそも、節約に疲れがちな人になってしまうのには、原因があるはずです。筆者は、節約に疲れがちになる原因=陥っている落とし穴は以下の6つがあると考えます。
- 効率が悪い節約法を試している
- 「〇〇したいから節約する」という目標がない
- 家族が協力してくれない
- 人間関係にひびを入れかねない節約をしている
- 節約すべきとはわかっているがやり方がわからない
- 安さにつられて物を買って結局捨てる
順番に見ていきましょう。
1.効率が悪い節約法を試している
最初に紹介する落とし穴は、「効率が悪い節約法を試している」です。
こまめな節約は労力の割に効果が薄い
効率が悪い節約法とは
- シャワーは3分以内にして水道代を抑える
- 待機電力が無駄になるから電化製品のコンセントは全て抜いておく
など、労力や時間がかかる割には節約できる金額の少ない方法を指します。
ちなみに、総務省統計局が発表している家計調査報告によれば、2人以上の世帯における1カ月あたりの水道光熱費の平均額は21,836円とのことでした。
出典:総務省統計局「家計調査報告-2020年(令和2年)12月分,10~12月期平均及び2020年平均-」
ここからどんなに切り詰めたとしても、節約できる金額はせいぜい数千円程度です。
2.「〇〇したいから節約する」という目標がない
節約をする理由として「お金を貯めたいから」を挙げる人は珍しくありません。しかし、お金を貯めた後、そのお金を何に使いたいのかについて聞いてみても「ええ?何となく不安で…」というように、動機があいまいな人も時々見かけます。
長期間我慢していると精神衛生上良くない
実は、節約をする動機があいまいというのも、節約に失敗する原因の1つです。特に、節約をしたいという動機で、自分や家族が本当にやりたいことを我慢しつづけるのは、精神衛生上良くありません。
本来は「家族で夏休みに旅行に行く」「マイホームを買う」など、将来においてやりたいこと・叶えたい希望を目標として設定した上で、そのために「何をどうすればお金を貯められるか」を考えるのが、節約のあるべき姿でしょう。
3.家族が協力してくれない
節約に疲れがちな人の中には、節約に対する考え方が、自分と家族とで異なっていることが原因でトラブルを抱えている人もいます。簡単に言うと、夫婦ゲンカや親子ゲンカの火種になるということです。
家族にも本人なりの考え・価値観がある
例えば、仮にあなたが「水道光熱費がかかるから、シャワーは夜だけにしてほしい。会社に出かける前に浴びるのは止めてほしい」と思って、家族にそのことを伝えたとしましょう。
しかし、仮にその家族が営業など、人前に出る仕事をしていて、しかも汗をかきやすい体質だった場合は「汗臭いと先方に失礼だから、身なりを整える一環として朝にシャワーを浴びたい」と考えているかもしれません。
そのあたりを無視して、頭ごなしに「朝からシャワー浴びないでよ!水道光熱費かかるし!」などと主張したら、かなりの確率でもめるでしょう。
4.人間関係にひびを入れかねない節約をしている
節約に疲れてしまいがちな人の中には、「節約をしたら、周囲との人間関係が悪くなった」と悩む人もいるでしょう。
信用はお金では買えないからこそ慎重に
もしかしたら、そうやって悩む人は
- 友人・知人などから外出、食事に誘われても「お金がかかるから」という理由でほとんど断っている
- 友人・知人からプレゼントをもらってもお礼をしない
- 親しい友人・知人が結婚・出産をしたり、その家族に不幸があったりした場合も、ご祝儀やお祝い、香典を出さない(出しても相場よりかなり低い金額で済ますなど)
など、人間関係にひびを入れかねない節約をしてきたのかもしれません。相手からすれば
- 外出、食事に誘ったとしても毎回断られてばかり
- プレゼントをあげてもお礼をもらったことがない
- 冠婚葬祭があってもご祝儀、香典までケチられている
などという状況が続けば、「この人は私のことを尊重してくれない」と判断し、去っていくのは自然の流れでしょう。
5.節約すべきとはわかっているがやり方がわからない
世の中に目を向けると、節約を扱った本・雑誌、テレビ番組、Web記事があふれています。つまり、節約に関する情報は十分すぎるほど世の中に出回っているのですが、それらを鵜呑みにしたところで、自分が節約できるようになるとは限りません。
自分に合った方法を提案した本、Web記事に出会えないことも
そもそも「節約すべきとはわかっているがやり方がわからない」と落ち込んでいる人は、自分とは置かれている環境が全く違う人の節約法を見ている可能性もあります。
食費の節約1つとってみても「4人家族で毎月2万円」など、相場より大分低い金額に抑えられている人がWeb記事やSNSで取材を受けているのは珍しくありません。しかし、そのような人の中には「実家が農家で、お米や野菜は送ってもらうため、自分たちで買う必要がない」など、食費を極めて安く抑えられるだけの条件が備わっていることもあり得ます。
このような人たちのやり方をそのまま真似たとしても「やっぱり無理!」と落ち込む結果になりかねません。
6.安さにつられて物を買って結局捨てる
最後に紹介する落とし穴は、ある意味、現代の日本が抱える社会問題にも直結するものです。
安いからと言って買っても使わないと意味がない
スーパーに行くと、賞味期限が近い商品に割引シールがつけられて販売されています。また、夏や冬は、デパートやファッションビルでバーゲンが行われ、通常より3~4割安い金額で洋服が販売されます。
筆者もこれらの「安く売られているもの」は好きですし、購入すること自体が悪いというつもりはありません。実際に使いこなせば、かなりの節約にはなるでしょう。しかし「安いからという理由で買って、結局食べなかったり、タンスの肥やしになったりする」のはいただけません。お金を使って、ゴミを増やしているようなものです。
なお、消費者庁の統計によれば、日本では「まだ食べられるのに廃棄される食品(食品ロス)」が年間で612万トン出されているそうです。これは「毎日お茶碗1杯分(約132グラム)の食べ物を捨てている」ことになります。
【結論】節約に疲れるのは「正しいやり方を知らないから」
結局のところ、節約に疲れてしまう原因は
- 節約に対するとらえ方が間違っている
- 正しい節約のやり方を知らないから実践できない
の2点に集約されます。
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