ネットオークションで落札した商品が届かない!正しい対処法とトラブル防止策

  • 発売されたときは買えなかったものの、あとになってどうしても欲しくなった商品を手に入れたい
  • 新品を買うほどではないものの、試してみたい商品を中古で見つけたい

など、これまでの買い物とは違った方法で自分の欲しいものが手に入れられるのが、ネットオークションの良さです。しかし、個人間の取引である以上、通常の通信販売では予想していないようなトラブルも起こります。

わかりやすい例として挙げられるのが「商品の代金を払ったのに、実際に届かず、出品者に連絡をしても音沙汰がない」というものです。実際に、このようなトラブルに見舞われた場合、正しい対処法は何かを知っておきましょう。

ネットオークションで落札した商品が届かない場合の正しい対処法

内容証明郵便を送る

ネットオークションで商品を購入する際は、出品者からの連絡に

  • 本名
  • 住所
  • 連絡先

の3点は盛り込まれているはずです。

まずはそれらの情報を控え、内容証明郵便を送りましょう。

なお、内容証明郵便の作り方については、以下の記事でも詳しく解説しています。

養育費が支払われない場合の対応。公正証書がある場合とない場合に分けて解説

宛先不明で戻ってきた場合は警察に連絡を

内容証明郵便を送ったものの、宛先不明で自分のところに戻ってきてしまった場合は、相手が嘘の住所を伝えてきたことも考えられます。

それまでの経緯をまとめ、警察に相談しましょう。

オークション運営業者に連絡をする

ネットオークションのサービスでは、商品が届かない場合の対応について規約が定められています。

自分が使ったサービスの利用規約やヘルプをチェックし、商品が届かない場合の対応を確認し、手続きを進めましょう。

例えば、大手ネットオークション「ヤフオク!」の場合、支払いから8日経過しても商品が届かない場合は、取引ナビの「商品が届いていない」を確認し、返金申請を行うことができます。

返金申請ができないケースもある

ただし、ネットオークションのサービスによっては

  • システムを通じた返金申請自体ができない
  • 所定の支払方法でないと返金申請ができない
  • 返金申請ができる期間が限定されている

など、返金申請に対しての取扱いが定められているので、注意してください。

例えば、ヤフオク!の場合は

  • Yahoo!かんたん決済で支払わなかった場合(例:出品者の銀行口座へ直接振り込んだ等)
  • 特定カテゴリの商品を購入した場合
  • 決済完了から8日経過してない、もしくは12日を経過した場合

が該当します。

出典:ヤフオク!ヘルプ

なお「特定カテゴリの商品」とは

  • 自動車、オートバイ > 中古車・新車
  • 自動車、オートバイ > トラック、ダンプ、建設機械 > 車体
  • 自動車、オートバイ > バス > 車体
  • 自動車、オートバイ > キャンピングカー(車体)
  • 自動車、オートバイ > 部品取り車
  • 自動車、オートバイ > オートバイ > オートバイ車体
  • スポーツ、レジャー > 船、ボート > 船体 > セーリングボート
  • スポーツ、レジャー > 船、ボート > 船体 > バスフィッシング用ボート
  • スポーツ、レジャー > 船、ボート > 船体 > モーターボート
  • スポーツ、レジャー > 船、ボート > 船体 > 水上オートバイ

を指しています。

出典:ヤフオク!ヘルプ

弁護士に相談し、訴訟を検討する

内容証明を送ったものの

  • 相手から何の連絡・対応もない
  • 宛先不明で戻ってきた

など、事態が進展しない場合は、弁護士に相談し、訴訟を検討しましょう。

相手の住所がわかれば少額訴訟も可能

なお、内容証明郵便自体が相手方に届いているようなら、その時点での住所がわかることになります。相手の住所がわかり、払い込んだ金額が60万円以下であるなら、少額訴訟の申立てをして、払い戻してもらうよう求めることも可能です。少額訴訟の手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。

十数万円の借金を回収するなら少額訴訟が利用可能。メリット・デメリットと手続きの流れ、費用を解説

ネットオークションのトラブル防止策

あくまで自己責任であることを心得る

ネットオークションでトラブルが起きた場合でも、まったく対応ができないわけではありません。しかし、より大事なのは、あらかじめトラブルが起きないように行動することです。

ネットオークションは通常の通信販売とは違い、あくまで個人間での商品・お金のやり取りです。相手がどんな人かわからない以上、何が起きてもおかしくないという気持ちで、慎重に行動しましょう。

特定商取引法の適用は受けない

なお、通常の通信販売は、法律(特定商取引法)により、厳しい規制が設けられています。これらの規定に違反した場合は、行政処分を受けるので、ほとんどの業者はモラル・コンプライアンスを遵守して業務を運営しているので、ある程度は安心できるでしょう。

参照:通信販売|特定商取引法ガイド

しかし、ネットオークションの場合、一部の例外を除いては、この法律の規制は受けないので、出品者・落札者のモラル次第で取引がうまくいくかが左右されます。
「営利の意思を持って反復継続」とは

ただし、ネットオークションであっても、営利の意思を持って反復継続して販売を行う場合は、法人・個人を問わず事業者に該当し、特定商取引法の規制対象となるので、注意が必要です。

具体的な基準が消費者庁のガイドラインにより示されているので、参考にするといいでしょう。

出品点数・落札額を用いた基準 ①過去1ヶ月に200点以上又は一時点において100点以上の商品を新規出品している場合
②落札額の合計が過去1ヶ月に100万円以上である場合
③落札額の合計が過去1年間に1,000万円以上である場合
品目を用いた基準 ①(家電製品等)について、同一の商品を一時点において5点以上出品している場合
②(自動車・二輪車の部品等)について、同一の商品を一時点において3点以上出品している場合
③(CD・DVD・パソコン用ソフト)について、同一の商品を一時点において3点以上出品している場合
④(いわゆるブランド品)に該当する商品を一時点において20点以上出品している場合
⑤(インクカートリッジ)に該当する商品を一時点において20点以上出品している場合
⑥(健康食品)に該当する商品を一時点において20点以上出品している場合
⑦(チケット等)に該当する商品を一時点において20点以上出品している場合

出典:インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン

評価の悪い出品者からは買わない

一部の例外を除き、ネットオークションでは出品者に対してつけられた評価が「その人が信頼できるかどうか」のバロメーターになります。

あまりに悪い評価ばかりついている出品者からは、たとえ欲しいものがあったとしても、買わないようにしましょう。

ネットオークションの利用規約、ガイドラインを確認する

ネットオークションは、サービス運営会社によって利用規約、ガイドラインにも多少の差があります。特に、初めてネットオークションを使って買い物をしようとする人は、利用規約、ガイドラインをしっかり確認しましょう。

また、商品が届かなかった場合、どのように対応していけばいいかについても、一通りの流れを事前に調べておくといいでしょう。

入金する前に相手の住所・固定電話番号を確認する

ネットオークションのシステムを通じた入金、指定された銀行口座への入金のいかんを問わず、入金する前に相手の住所・固定電話番号を確認するようにしましょう。

仮に、相手方が個人で、携帯電話しか持っていなかった場合は、実際に電話をかけて相手が出るかどうかを確認してください。

そして、怪しいと思ったら、一度入金しないで様子をみましょう。

高額な商品は買わない

ネットオークションは、一部の例外を除き、特定商取引法の適用を受けません。そのため、何かトラブルがあった場合、最終的には裁判で争うことになります。

しかし、裁判の決着がつくまで数カ月、長いと数年かかる上に、弁護士を雇う費用などの経費も馬鹿になりません。

自衛のためには、最初からオークションでは高額な商品は買わない、と決めてしまった方がいいでしょう。
FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

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大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

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