質問内容にある「今年」について、令和2年度に質問があったことから、令和2年度の税法に基づいた回答をしていきます。
また「自営業で年収330」とあることから、年間所得金額が330万円なのではなく、年間売上金額が330万円であるものとして質問に回答することをあらかじめご留意下さい。
はじめに、仮想通貨(暗号資産)で100万円の利益が生じ、令和2年12月31日までの間に引き続き損益に変化がなかったとした場合、質問者様は、自営業による「事業所得」と仮想通貨(暗号資産)の利益による「雑所得」の2つが生じると考えられます。
この時、仮想通貨(暗号資産)の利益による「雑所得」は、総合課税の取り扱いとなるため、自営業による「事業所得」と合算して総所得金額を算出する必要があります。
たとえば、自営業による「事業所得」が150万円で、仮想通貨(暗号資産)の利益による「雑所得」が100万円だった場合、これら2つの所得を合算した250万円が総所得金額になるといったイメージです。
これを踏まえまして、以下、質問に回答していきます。
Q.そこで節税になる投資方法があれば教えてください
A.今回の質問者様の場合ですと、iDeCo(個人型確定拠出年金)または小規模企業共済への加入が節税対策として効果的だと考えられます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、将来の老後生活資金を準備するための長期投資にかかる制度ですが、自営業者である質問者様の場合、月額68,000円(年額816,000円)を上限として掛金を拠出することができ、かつ、掛金は全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になります。
参考:iDeCo公式サイト iDeCoをはじめよう
https://www.ideco-koushiki.jp/start/ 小規模企業共済は、退職金が基本的にない自営業者などが、将来の退職金を確保するためや将来の老後生活資金を準備するための制度としても活用でき、こちらも掛金は全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になります。
なお、小規模企業共済の場合、掛金の月額は、1,000円から70,000円までの範囲内(500円単位)で、増額または減額できる特徴があります。(iDeCoは、月額5,000円以上68,000円まで)
参考:中小機構 小規模企業共済 掛金について
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/installment/index.html iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済は、質問者様のケースにあてはめますと、節税になる長期の投資方法になるとも考えられ、いずれかの制度を活用することで節税効果と将来の資産形成の確保といった両立が期待できるでしょう。
なお、節税になる投資方法を考えることも大切となりますが、事業所得における必要経費の算入確認および仮想通貨(暗号資産)の利益による「雑所得」における必要経費の算入確認を行い、各種経費の算入もれが無いようにしておくことが大前提となります。