どんなことにでも、向き不向きはあります。起業も例にもれず、向いている人と向いていない人の差は歴然としているのです。今回は、いつもの記事とは趣向を変えて、周囲に独立して事業を営んでいる友人・知人の多い筆者が考える「起業に向いていない人の特徴」について解説しましょう。
目次
その1.面倒くさがり
会社が何かをしてくれるわけではない
はっきり言って、面倒くさがりな人には、起業は向いていません。会社勤めであっても、自分から動かなくてはいけない部分はありますが、会社という後ろ盾があるからこそ、自分自身が発揮しなくてはいけないエネルギーは少なくなります。
【対処法】自分からできる行動はすべて起こす
実は、面倒くさがりな人の心理には「自分が行動を起こしても何も変わらない、変わらないから行動をする勇気も出ない」という自信のなさが隠れていることがあります。
しかし、勇気を出して自分にできることを1つでもやってみた結果、「なんだ、自分でもできるんだ」と思えた出来事は、これまでの人生にたくさんあったはずです。
その2.時間を守らない
「相手の時間を奪う」行為は決してやってはいけない
「時は金なり」という慣用句があります。「時間はお金と同じくらい大事なものだから、無駄にしないようにしましょう」という意味です。ビジネスにおいてもこれは当てはまります。
例えば、打ち合わせをすることになったとして、場所・時間を決めて待ち合わせをしたとしましょう。その時に、相手は決められた時間より前に到着しているにも関わらず、自分が遅れてきてしかも謝らないのは、ビジネスにおいてもタブーです。
もちろん
- 前の打ち合わせが長引いた
- 待ち合わせに向かう途中で顧客から電話が入りやり取りが長引いた
- 電車、バスなどの交通機関が大幅に遅れた
- 途中で体調が悪くなり休んでいた
など、致し方のない理由もあります。そのような理由で遅れてしまったときは、まずは真摯に謝りましょう。
【対処法】10分前行動を基本にする
致し方のない理由で遅れるならともかく、自身のスケジュール管理の甘さが原因で遅れるのは、ビジネスにおいてはあり得ない行為です。
もし、交通機関の関係で大幅に早く着いてしまうようなら、カフェや書店などで時間をつぶしていればいいだけのことです。
その3.メール、電話のレスポンスが遅い
待ち合わせに遅れるのと同じこと
ビジネスにおいては、電話でのやり取りはもちろん、メールやビジネスチャットでのやり取りも頻繁に用いられます。
もちろん、電話がかかってきても電車に乗っていたなどの理由で出られなかったり、メールやビジネスチャットにもすぐに返信できなかったりすることはあるでしょう。それでも、できる限り早めに返信するのが、ビジネス・プライベートを問わず相手への気遣いの1つです。
分かりやすい例として「友達と映画を見に行ったあと、ご飯を食べる」ことを考えましょう。
例えば、相手がいくつか候補日を出してきたにも関わらず、「この日はOK、その日は無理」など、自分の状況を全く伝えないでいると、相手は映画のチケットも買えないし、レストランの予約もできません。つまり、相手は返答があるまで、次の予定を全く立てられないことになります。
【対処法】即答できないことは「後で連絡します」と言う
もちろん、連絡があったとしても、内容によってはすぐに返答ができないことだってあるはずです。自分以外の第三者に確認が必要なことならなおさらでしょう。
そのような場合は、無理に正確な返事をしようとはせず「今すぐにはわかりかねますので、確認して後ほどご連絡差し上げます」と伝えれば十分です。「〇月〇日の17時ころまでにはお伝えできそうなので、お待たせして申し訳ありませんがよろしくお願いいたします」と具体的な時間まで入れれば、より親切でしょう。
その4.怒りっぽい、すぐにキレる
仕事のパートナー、従業員への伝え方は重要
そもそも、起業を考える人の大半は「仕事が好きで、これまでに一定の成果を挙げてきている」人が多いと筆者は考えます。
それだけに、仕事上のパートナーや従業員に「なんでこんなこともできないの?」となじったり、一緒に仕事をした相手の成果物に対して厳しい批判をしたりすることも少なくありません。周囲からは「あの人怒りっぽい」「すぐにキレるよね」と批判されても仕方ないでしょう。それでも、一昔以上前なら「仕事に熱心な職人肌」と、好意的に見てくれる人がいたかもしれません。
しかし、職場でのパワハラ(パワーハラスメント)に対して厳しい目が向けられている昨今では「パワハラ上司」の烙印を押されたり、雇った従業員がいきなり辞めてしまったりなど、トラブルの原因にしかなりません。また、取引先として仕事をしている相手も、しょっちゅう機嫌の悪い人に合わせて仕事をしていたのでは疲弊してしまいます。
【対処法】感情的にならないトレーニングをする
自分が怒りっぽい、すぐにキレるという自覚がある場合は、感情的にならないよう、トレーニングを積むのも1つの選択肢です。アンガーマネジメントやコーチングなど「相手に冷静に物事を伝える」技術を学ぶのもいいでしょう。それ以上に「怒ったり、キレたりしている人を見て、気分がいい人はいない」という原始的な事実を、常に忘れないようにしてください。
その5.プライベートと仕事を分けたい
立ち上げのうちは昼も夜もなくなることがある
起業に向いていない、とまでは言いませんが「プライベートと仕事を分けたい」という考えが強い人は、起業をすると嫌な思いをする可能性が高いです。
独立して起業するとなると、会社勤めをしていたときとは違って「自分でやらなくてはいけないこと」が一気に増えてしまいます。会社勤めをしていた時にはやったことがない作業に取り掛かると、徹夜が続くのも珍しくないので、プライベートと仕事の境目がどんどんあいまいになってしまうでしょう。
【対処法】どうすれば効率的にできるか考え、実行する
実は、筆者の周囲には、起業をしているものの「週の大半は家族と晩御飯を食べている」というように、プライベートと仕事を両立している人もいます。
その人は「常にどうすれば効率的にできるか考え、実行し続けること」をモットーにしているとのことです。マニュアルを作成したり、自動化できるツールがあれば取り入れたりなど「なるべく人の手を動かさずにできることを増やすようにしている」と話していました。「起業したいけど、家族との時間も欲しい」人は、ぜひ参考にしてみてください。
その6.人に物事を頼めない、頼れない
自分1人で何でもやろうとするとかえって失敗する
起業を考える人の中には、小さいころから「自分のことは自分でするように」としつけられてきた人も多いでしょう。もちろん、自分の身の回りの世話や学生時代の課題の提出は、基本的には自分で済ませることが前提のものである上に、質・量的にも自分1人で完結することがほとんどなので、この理屈は当てはまります。
しかし、起業をしてからは、常に仕事が質・量的に自分1人で完結するとは限りません。むしろ、事業が軌道に乗れば乗るほど、質・量的に自分1人で完結させるのは難しくなるでしょう。
【対処法】お互い様の気持ちで、人に頼む
既に触れた「常にどうすれば効率的にできるか考え、実行し続けること」とも関連しますが、自分だけでできそうにないことは、お金を払ってでも人に頼んだほうが、効率が良いことも多いです。
中には「人に頼むのは気が引ける」と、しり込みをしてしまう人もいるかもしれません。そう思うなら、自分の周囲で困っている人がいたときに、自分にできることで助けられるなら、助ければいいだけのことです。
その7.お金にルーズ
お金は無限にある、という勘違いをしてはいけない
ある意味、一番起業しないほうがいいタイプの人と言えるのが「お金にルーズ」な人でしょう。
「いつまでもあると思うな親と金」という言葉があるように、事業資金を無計画に使っていったら、いつかは資金繰りに行き詰ります。
【対処法】収入と支出をチェックし、削れる部分がないか考える
いつの間にか事業資金が無くなっていたという事態を避けるには、常に会社の収入と支出をチェックし
- 無駄な出費がないか
- 無駄ではない出費でも上手に削減できないか
を考える癖を付けましょう。税理士などの専門家に相談するのも1つの手段です。
また、起業したてはお金の面では何かと不安定になりがちです。
- 会社勤めをしていた時の手取り収入の1年分を貯めておく
- クレジットカード、カードローンは契約しておく
など、会社員の立場があるうちだからこそできる下準備を忘れないようにしてください。
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