「マイホームを購入したい」「子どもの教育費の足しにしたい」など、様々な理由で貯金に励んでいる人なら、節約にも関心があるはずです。やはり、節約することで、1カ月当たりの生活費が減り、その分貯金に回せるのは確かでしょう。しかし、世の中には「やって良い節約」と「やってはいけない節約」が存在します。今回は「やってはいけない節約」をクローズアップして解説しましょう。
目次
やってはいけない節約術・食費編
安い食材を求めてスーパーをはしごする
節約をする、といった場合、食費の節約に励もうとする人は多いはずです。
子どものいない専業主婦など、比較的時間に余裕がある人ならまだしも、仕事をしながら家事もしているという人は「スーパーをはしごする」というだけで、相当な時間の無駄になります。
また、自動車で移動している場合は、はしごする分だけガソリンが余計にかかるため、安い食材が買えたとしても、浮いた分がガソリン代で帳消しという結果になりかねません。
お惣菜は全て手作りしようとする
食物アレルギーを持つ家族がいるなどの事情がない限り、家族構成や生活スタイルによっては、時々はお惣菜を買ったほうが結果として時間と食費の節約になることも往々にしてあります。特に、揚げ物など「自分で一から作ろうとするとそれなりに時間がかかってしまう料理」は、信頼のおけるスーパーで買うなどしたほうが、精神的にも楽かもしれません。
スーパーの目玉商品を買う
スーパーの目玉商品・特売商品はいわば「お客さんを呼び込むためのコンテンツ」です。つまり、店に足を運んでくれたお客さんが、ついでに別の商品を買ってくれることを期待して用意される位置づけの商品と考えましょう。
もちろん、その目玉商品を買って何か作る予定がある、使う予定があるなら構いませんが、使う予定もないのに「今日は〇〇が安いから!」と慌ててスーパーに行くのはおすすめできません。節約効果の高さを求めるなら、どちらかといえば「スーパーに行く回数自体を減らす」ことを目指したほうが良いでしょう。
食材が余ったら冷凍する
肉、魚、野菜などの食材が余ったら冷凍する、という人もいますが、これもあまりおすすめできません。
もちろん、どうしてもという場合は冷凍も可能ですが
- 冷凍庫自体に急速冷凍機能が付いている場合は使う
- 空気に触れないよう下味をつけたり、しっかりパッキングしたりした上で、アルミ製のトレーに乗せて冷凍する
- 冷凍したものは1週間をめどに使い切る
など、注意すべきポイントはたくさんあるので意識してください。
見切り品をやたらと買う
賞味期限・消費期限が近い食品は「〇%引き」など、値引きされて売られるのは珍しくありません。このような見切り品は「その日、もしくは数日内に食べる」予定があるのであれば、買っても構いません。しかし、予定がない場合は手を出さないようにしましょう。
やってはいけない節約術・生活編
トイレのタンクにペットボトルで節水する
次に、食品以外の生活全般について、やってはいけない節約術を解説しましょう。
一昔前「トイレタンクに水の入ったペットボトルを入れ、タンクの中の水をかさ増しすると、節水ができる」という方法がテレビや雑誌で紹介されました。つまり、タンクの中に水が入ったペットボトルを入れておけば、トイレタンクに給水される1回分の洗浄水がその分節約されるという理屈です。
しかし、実際は
- 洗浄水が少なくなるため、排せつ物・紙がしっかり流れない
- トイレの内部の部品とペットボトルが接触し、動作不良・故障を引き起こす
などのデメリットがあるため、やめておいた方が無難でしょう。
本来は使い捨てのものを使いまわす
- 不織布のマスクを洗って何度も使う
- 1日使い捨てのコンタクトレンズを1カ月使い続ける
など「本来は使い捨てのものを何度も使いまわす」のは絶対に止めましょう。
特に「1日使い捨てのコンタクトレンズを1カ月使い続ける」というのは、角膜潰瘍などの深刻な目の病気を引き起こし、最悪の場合は失明に至ることも考えられます。
また、「不織布のマスクを洗って何度も使う」についてですが、2020年初頭に新型コロナウイルス感染症が流行しだした時、日本は一時的に深刻なマスク不足に陥ったことがありました。そのような時に、不織布のマスクを洗って使い回していた人もいたようです。
しかし
- 消毒したり洗ったりすることで、マスクの機能が落ちてくる、パッケージに表示している効果が薄くなる
- フィルターに帯電処理をほどこしてウイルスの粒子を付着させているタイプの不織布マスクでは、液体に濡らしてしまうことでウイルスの捕集効果が減る
など、マスクをしている意味がなくなってしまうので、本来であれば控えたほうが良いでしょう。
洗剤・シャンプーを水で薄める
「水で薄めれば、使える回数が多くなるから」という理由で、洗剤やシャンプーを水で薄める人がいます。もちろん「水で薄めて使用すること」と明記されている商品であれば何ら問題はありません。
スポンジ・ブラシを使いまわす
台所やお風呂、トイレなどの水回りを掃除するために使っているスポンジ・ブラシも、汚れを取る道具である以上、雑菌が繁殖するのは避けられません。使ったら日陰で干すなど、日常からできる手入れをするのはもちろんですが、限界があります。やはり、衛生面を考えるなら定期的に交換しましょう。
大まかな目安としては
- 台所のスポンジ:1カ月に1回
- お風呂のスポンジ:2カ月に1回
- トイレのブラシ:1年に1回
をめどに交換するのをおすすめします。
電源コードをマメに抜く
「電化製品のコンセントを挿しっぱなしにしていると待機電力が生じるので、使わないときは抜いたほうが電気代の節約になる」という話を聞いたことがある人は多いかもしれません。しかし、それは昔の話です。
昔の電化製品に比べると、今の電化製品は待機電力が極めて低い値しか発生しないように設計されているので、電源コードをマメに抜いてもさほど節約にはつながりません。むしろ、頻繁にコンセントを抜き差しすることで
- 保存していたデータがすべて消えてしまう
- 設定を1からやり直さなければいけない
- 予想外の故障が起きる
など、かえってトラブルの原因になるので注意しましょう。
冠婚葬祭の際の出費を渋る
地域のしきたりや、相手との関係性にもよるので一概には言えませんが、冠婚葬祭の際の出費を渋るのはやめましょう。
わかりやすい例が「結婚式のご祝儀」です。新郎新婦との間柄ごとに、一般的な相場をまとめました。
- 友人:3万円
- 上司:3~5万円
- 恩師:3~5万円
- 親族:5~10万円
決して安い金額ではありませんが、結婚式を挙げる新郎新婦は、招待客1人をもてなすために相応の費用を払っています。これは相手との関係性にもよるので、一概には言えませんが、あまりに相場より低い金額しかご祝儀として包まなかったのでは、相手に悪い心証を与えてしまう可能性が高いです。
「ご祝儀をケチられた = 自分との関係性に支払う費用はない、と言われた」とネガティブな受け取られ方をされれば、修復不可能なレベルのトラブルに発展することもあるでしょう。
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