遺贈寄付の手続きはどうやる?メリットは?注意点は? 『レディーフォー遺贈寄付サポート窓口』に相談してみた

災害・貧困・教育…日本には様々な社会問題が山積しています。「自分に万が一のことがあった場合は、遺した財産の一部を社会問題の解決をしている団体に寄付したい=遺贈寄付を検討したい」と関心を寄せる人も増えています。

筆者もその1人ですが、いざ「財産を寄付する」ことを考えると手続きの方法などが理解できておらず、不安を抱きました。

今回は、「自分に万が一のことがあったときに社会になにか残したい」という方におすすめしたい「レディーフォー遺贈寄付サポート窓口」をご紹介します。

レディーフォー遺贈寄付サポート窓口を現役FPが体験してみた

筆者はファイナンシャル・プランナー兼ライターという職業柄、終活や相続、そして遺贈など「自分や家族に万が一のことがあった場合にどうするか」という問題には非常に興味があります。

そして先日「自分が亡くなったときは、自分のお金を社会問題に使ってほしい」と思っている人に、ぜひ一度利用をおすすめするサービスを発見しました。それが「レディーフォー遺贈寄付サポート窓口」です。それでは具体的な体験をご紹介していきましょう。

提供:遺贈寄付無料サポート窓口(公式)-READYFOR

レディーフォー遺贈寄付サポート窓口とは

レディーフォー遺贈寄付サポート窓口とは、簡単にまとめると

遺贈寄付をしたい、もしくは遺贈寄付検討中の人が無料で利用できる相談窓口

です。

運営会社は日本のクラウドファンディングの草分け的存在

このサービスを運営しているのは、日本最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR(レディーフォー)」を運営するREADYFOR株式会社です。

なお、クラウドファンディングとは

インターネットを通じて不特定多数の人から少額の資金を募るしくみ

です。

READYFORは2011年3月から約2万件のプロジェクトを掲載し、約200億円の資金を集めてきた、いわば「日本のクラウドファンディングの草分け的存在」と言っても過言ではありません。

利用する際の基本的な流れ

なお、レディーフォー遺贈寄付サポート窓口を利用する際の簡単な流れは以下の通りです。

  1. メール・電話・LINEで相談する
  2. 相談内容に基づき、適切な寄付先の候補の提案や、ご家族・団体への配分決定のサポートを受ける(必要に応じて弁護士などの専門家の紹介を受けることも可能)
  3. 専門家のサポートを受け、寄付を実行するために必要な手続き(遺言書作成など)を行う
  4. その後、寄付を受けた団体から活動報告や感謝状などが届く
  5. 相続が発生した(万が一のことが起きた)ら、遺言の執行がなされ、希望した団体に寄付が行われる

出典:レディーフォー遺贈寄付サポート窓口より提供

実際に相談してみました

何はともあれ、まずは相談してみないことには、何も始まりません。そこで筆者は、レディーフォー遺贈寄付サポート窓口の運営チームの方のご厚意により、実際の相談をシミュレーションとして体験しました。

ご相談に乗ってくださったのは、レディーフォー遺贈寄付コンサルタントの北山陽一氏です。

北山 陽一
大手信託銀行で遺言信託の受託手続きならびに受託審査部門に携わるなど相続・遺言に関して20年近くの相談経験あり。 1級ファイナンシャルプランニング技能士、准認定ファンドレイザー

筆者
こんにちは。荒井と申します。 私、実は去年結婚しまして、主人も同学年(40代前半)で、子どもはおりません。それで最近「どちらかに万が一のことがあった場合のこと」を話し始めたのですが、その中で「あんまり多くは遺せないけど、余ったお金の一部でも困っている人に使ってもらえればいいよね」という話が出ました。でも、実際に万が一のことが起こったら、きっとあたふたしそうで。正直、自分たちが困っています!

北山さん

そうなのですね。お子様がいらっしゃらない、そして、寄付をお考えでいらっしゃるということになると、まずは遺言書作成を優先して考えていただくとよろしいかと思われます。

お二方それぞれに財産をお持ちでいらっしゃると思いますけれども、遺言書がない場合は、最終的には第3順位であるご兄弟・ご姉妹やそのお子様(おい・めい)にも相続なさる権利が発生します。

そのため、遺産分割協議といって、遺された財産をどのように分け合うか話し合いをして、それを書面に残さないといけません。やはり、労力が必要になりますので、まずは「遺された財産はすべて相手に相続させる」という意思表示を、生前に遺言書をお書きいただくことによりなさっていただければと思います。

なお、筆者はオンライン会議システムを用いて行いましたが、実際は

のいずれかで相談できます。自分が使いやすい方法を選びましょう。

疑問に思ったことも聞いてみました

また、相談のシミュレーションの中で、実際にサービスを利用する際に、多くの人が疑問に思う点についても聞いてみました。こちらも、筆者と北山様のやり取りとしてご紹介します。

利用にあたって必要な費用は?

筆者
やっぱり費用はかかりますか?かかるとしたらおいくらくらいですか?

北山さん

ご相談いただく方からは費用を頂戴しておりません。実際に遺贈による寄付が行われた場合、寄付先となった団体から、当社へ手数料が支払われます。その手数料で収益を得るシステムを採用しているためです。

ただし、ご相談者様が

● 遺言書を作成するためにご紹介した弁護士に実際に作成をご依頼した
● 相続税申告手続き等のために税理士をご紹介し、実際に手続きをご依頼した

など、専門家に何らかの業務のご依頼をなさった場合は、その専門家に対する報酬をお支払いいただく必要がございます。

不動産をそのまま寄付しても大丈夫?

筆者
実は、私の主人が不動産投資をしていて、ワンルームマンションを2軒所有しています。正直、私や主人に万が一のことがあったら、最終的には持ち主がいなくなってしまいますけど、こういう不動産って、そのまま寄付しても大丈夫ですか?

北山さん

もちろん、寄付すること自体は可能です。それを受け取ってくれる団体がいるかどうかは、タイミング次第の部分もあります。その時の状況にもよりますが

● 不動産を売却(生前の売却・相続発生後遺言執行時に売却等での対応が可能です)した上で、その代金の一部を寄付に充てる
● 事務所として使ってくれそうな団体に寄付する

など、お一人お一人に合った方法をご提案できれば幸いです。

寄付はしたいけど、どんな団体に寄付できる?

筆者
主人と「どんな団体に寄付しようか」という話し合いはしましたが、私は「がんや難病の人を支援する団体」、主人は「社会的に弱い立場の人を支援する団体」と意見が割れました。どんな団体を寄付先に選べますか?

北山さん

レディーフォー遺贈寄付サポート窓口では医療、環境、教育、国際協力、子どもなど、全部で12ジャンル(2021年4月時点)の団体の他、

クラウドファンディングでの約2万件の支援実績を踏まえた様々な社会の課題に向き合っている団体をご紹介いたします。

(筆者注:今回、取材ということもあり具体的な団体名の提示は控えてもらっていますが、実際はご相談内容を踏まえ、団体名等を提示頂けるとのことです)

ご希望をお聞かせいただければ、それに沿った団体をお調べいたしますので、まずはご相談ください。また、実際に担当者にお会いしたい場合は、お顔合わせの機会を設けさせていただくことも可能です。

寄付はしたいけど、まとまった金額ではないとダメ?

筆者
正直、寄付はしたいと思っているのですが、お金持ちの人のように数百万円なんて金額はとても無理です。やっぱり、まとまった金額が出せないと難しいのですか?

北山さん
私ども遺贈寄付無料サポート窓口では、相談可能な遺贈寄付の金額に下限は設けていません。ご自身やご家族の生活も踏まえ、無理のない程度の金額を遺贈していただけるようご提案いたしますので、まずはお話をお聞かせください。

「余命半年です」という宣告をされても利用できる?

筆者
例えばがんなどの重い病気で具体的な余命宣告をされる場合もありますよね。いろいろと手続きを急がないといけないとは思いますが、そういう場合でも遺贈寄付無料サポート窓口を使うことはできますか?

北山さん

誠に恐れいりますが、100%間に合うとは断言できません。そのため、まずは、お話を伺い、その際の状況に合った方法を考え、実行していくことになります。

正直なところ、ご質問いただいたような状況では、実際に遺言書の作成までを済ませ、万が一のことが起きた場合にもつつがなく寄付ができる状態にまで達するかは、ケースバイケースと言わざるを得ません。

それでも、全力でお手伝いさせていただきますので、困ったらまずはご連絡いただければ幸いです。

【結論】「誰かのために」と思うなら準備が大事

そろそろまとめに入りましょう。今、少しでも「自分に万が一のことがあったら、心ばかりでも誰かに寄付して、役に立ててもらいたい」と思うなら、なによりも下準備が大事です。

万が一のことが起こった場合、その後は決して自分では動けない以上、家族や周囲の人を頼りにするしかなくなります。「だったら、家族に動いてもらえれば良い」と思うかもしれませんが

  • 万が一のことがあった場合、済ませなくてはいけないことはただでさえ多い
  • 精神的にも疲弊しきっているはずなので、負担はできるだけ減らしたほうが良い

以上「家族に対応してもらわなくても問題ないこと」は、できる限り別の誰かに頼れる体制を作っておくのも、1つの優しさです。そういう意味でも、レディーフォー遺贈寄付サポート窓口は積極的に利用してほしい、画期的なサービスだと思いました。

あなたの「生きた証」がきっと誰かの勇気になる

また、寄付をするということには、まったく別の効果もあります。社会問題を解決するためには、やはりお金(活動資金)が必要なのも事実です。

たとえ、高い理想を持ち、画期的な解決策を立案できるだけの知見・経験があるスタッフが集まっている団体であっても、活動資金がなければ、思うように動けないのです。

その中で、自分が解決したい社会の問題は何かを考え、その解決策を提示してくれそうな団体にスムーズに遺贈ができるようにすることは、その団体にとっても「自分たちの活動に理解を示してくれる人がいる」という、大きな励みになるでしょう。

そして、その団体の活動を通じて、なんらかの恩恵を受ける人たちには「自分たちのことをどこかで心配してくれている人がいる」という、生きる勇気につながるはずです。

あなたの「生きた証」がきっと誰かの勇気になる

―だからこそ、遺贈寄付を行いたいと思っているのならば、早いうちから、事前準備をしっかりと済ませて、本当に必要としている人のところへ、お金と想いが届くようにしておいて欲しいと思います。もちろん、筆者もそうするつもりです。

レディーフォー遺贈寄付サポート窓口に関する詳しい案内は、こちらからご覧いただけます。いきなり電話はちょっと、という人は、LINEやメールでもOKなので、まずは気軽に問い合わせてみましょう!

レディーフォー遺贈寄付サポート窓口のWebサイトはこちらから

FP 荒井 美亜

FP 荒井 美亜あらい みあ

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大学院まで行って公認会計士を目指していたものの、紆余曲折を経て今は「日本一、お金のことを楽しくわかりやすく説明できるライター兼ファイナンシャルプランナー」目指して活動中です。日本FP協会のイベントのお手伝いもしています。保有資格)日本FP協会認定AFP、FP技能検定2級、税理士会計科目合格、日商簿記検定1級、全経簿記能力検定上級、貸金業務取扱主任者試験合格

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